足駄をはいて首ったけ【SVT】短編 (ページ14)

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諦めて…それからはただ友達でいいやって…

「今日花火見ながら、ジフンと見たかったなって」

『来年は一緒に行こうなんて軽い事は言えないけど、いつか一緒に行こう』

「本当？」

『うん、俺もAと一緒に花火見たかったから』

いつ叶うかも分からない約束に心躍らされるんだから

もう自分の気持ちには蓋できそうにない

『今日からはお互い我慢するのやめよ』

「うん」

そう言うと触れるだけのキスをされた

『じゃあ泊まってっていい？』

「え…えぇ？」

『嘘！今日は帰るよ、カムバ前で忙しいから』

「そっか」

『何ホッとしてんだよ、ちょっとはガッカリしろよ』

私の髪の毛をぐしゃぐしゃに撫で回すと帰っていったジフン

DH『A、ジフンくん来てる』

「え？本当だ」

冬になった

今でも変わらずジフンは店の外で待っている

DH『この前さ、いい加減外で待つのやめろって言ったんだけどさ』

「聞かないんですよね」

ジフンとの関係が変わってから何回もお願いした

『俺が好きで待ってんだからいいだろ？』

そう言って全然聞いてくれないから

もう諦めてしまった

DH『Aの前ではただのイジフンなんだってさ』

「え？」

DH『ずっと我慢してたから嬉しいんだって！A上がっていいよ、ジフンくん風邪引いちゃう』

ドンヘさんの『ジフンくん風邪引いちゃう』も何度目だろう？

そんな事思いながら店を出る

『もう帰れんの？』

「うん、ドンヘさんがジフンの事心配するから」

『じゃあ早く帰ろ！』

「今日ビビンバでいい？」

そう言いながら歩きだすと、変わらず少し後ろをついてくる

これもジフン的には変えるつもりないらしい

『Aにもしなんかあった時、すぐ守れる距離なんだよ』

なんて言われてしまえば

照れが爆発して何も言えなくなってしまう

『ねぇA』

「何？」

後ろから話しかけられて振り向くと

『俺らに家族ができたら、手繋いで歩こうな』

とんでもない事を言い出して真っ赤になる

『大好きだよ、今日も』

「もう分かったから！」

今までの我慢からの反動か

ジフンからは信じられないような言葉がポンポン出てくるようになった

でもきっと…ジフンはまだ分かってない

後にも先にも、私にはジフンだけだって

「私のほうがジフンの事好きに決まってるもん」

『そんなの知ってるよ、高校の時から』

分かってないのはジフンじゃなくて…私だった

end