足駄をはいて首ったけ【SVT】短編 (ページ13)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:26,146 hit

13 ページ13

"花火が凄く綺麗だよ"

撮った写真と一緒にそんな言葉をジフンに送った

いつか…ジフンと見れたらいいな

そんな気持ちになった瞬間

会いたくなった

ジフンに会いたいって思った

花火が終わって、ご飯までご馳走になって送ってもらうと

玄関の前にジフンが立っていた

『おかえり』

「ただいま」

そんな在り来りな会話なのに、私は凄く緊張していて

高校時代、ジフンに「バイバイ」って中々言えなくて

モジモジしていたあの頃みたいに

「ジフン…ジフンの事が好き」

でも、あの頃は絶対に言わないと決めていた言葉を

今の私は口にしていた

『はぁ……いや、待って…本当何なの？』

そう答えたジフンの顔は不機嫌と呆れが混ざったような

これから告げられる言葉が決していいものではないと

態度から伝わる感じで

勢いで口走ってしまった事を一瞬で後悔した

『とりあえず叩釚ろうよ』

「あ…うん」

キーロックを解除して中に入った途端

後ろからジフンに抱きしめられて

身体に力が入る

『花火…誰と行ってきたの？』

「ドンヘさん…と、ミニョクオッパ」

『そっか…』

クリスマスの時みたいにSジフンになるのかな？

って構えてたけど、ジフンは凄く静かで逆に怖い

「とりあえず放して…喉乾いた」

抱きしめられて暑くて仕方なくて

これが夏の暑さなのか、恥ずかしくて身体が熱もってるからなのかなんて

今の私に分かる訳がない

リビングにいくといつもと変わらずソファーに座ったジフン

コーラを2つ持ってジフンの近くに座ると

『さっきのってさ…本気で言った？』

「うん」

真顔で言うから逸らしたいのに、目を逸らす事もできないくらい

ジフンからの視線が痛い

『じゃあ俺も本気で答えていいの？』

「うん」

『俺もAの事好きだよ』

「え？」

聞けるなんて思ってなかった言葉に

思いきり動揺すると

『今更その反応かよ…クリスマスの時から分かってた事だろ』

ジフンはため息をついた

『本当、お前って鈍感つーかなんつーか』

「自分の気持ちに蓋してたから…でも今日花火見ててジフンの事思い出した」

『花火？』

「一緒に行こうって約束したけど行けなかったなって…その時本当は凄く落ち込んだなって」

そう…花火大会の日に告白するつもりが

一緒に行けなくなって

あぁ…これが結果なんだって…ジフンとはそういう縁がないんだって

.