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『紫耀くんはさ、どうしてお店をあんな中道で始めたの?』
前から疑問だったことを聞いてみた。
「人に見つからないから、かな。」
『それってお店として大丈夫じゃないよね?』
普通は人通りが多くて、誰もが目に付く場所にあった方がいいはずなのに。
「俺ね、自分に自信がなくてさ。あそこなら、もし人が来なくてもお店の場所のせいにできる。」
どこか紫耀くんらしくない言葉の数々。
「もし人がたくさん通るところにお店を構えて、誰も来なかったら…って考えたら怖くてさ。」
『そっか…』
なんとなく分かるような気がした。
自分の力を否定したくはないけど、認めてもらえるかも不安なその気持ち。
『でも、わたしは紫耀くんの作るチョコレートって優しくてだいすきだし、同じ気持ちの人はたくさんいるよ!』
別に励まそうとかそういうのではなくて、本心で。
「ありがと。俺が自分の店持つようになってから作ったショコラ、初めて食べてもらったのがAちゃんでよかった。」
『へへ、なんかそう言われると照れるね』
「あの時幸せそうな顔したAちゃん見てさ、はちみつショコラ作ってよかったってほんとに思ったんだ。」
ただ前を見つめて、でも手は強く握ったまま彼はそう言った。
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みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時