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「何言っても言い訳に聞こえるかもしれないけどひとつだけ聞いてほしいんだ。」
『うん…』
「俺、Aの前ではかっこいい彼氏でいたかった。何年経っても、Aの1番でいることが俺の望みでさ、」
もう勇太くんの声を聞くだけで寂しさと辛さでいっぱいになる。
「それでも俺も人間だから、いつでも優しい勇太くんではいられないんだよ。だから、Aじゃないところで裏の俺を出してた、」
『そんなのわたしにッ…』
今更言ったって遅いのは分かっている。
勇太くんはわたしにいつもたくさんの幸せをくれたし、彼が無理しているんじゃないかなんてことくらいどこかで気付いていた。
こんなに長く一緒にいたのに、彼の怒ったところを見たことがないなんておかしな話だし。
「うん、そうだよな。もっとちゃんと向き合えば良かったのかもな… でも自分のしてることがおかしいって気付いた時にはもう後には戻れなかった、」
「Aに情けない姿見せらんなかったんだ、」
わたしの知らないところで彼にこんな辛い思いをさせていた。
もっとわたしが何でも受け止めてあげられるような彼女だったら、
『ごめんね、勇太くんッ、』
「ううん、悪いのは俺。」
こんなことにはならなかったのだろうか。
そうすれば、わたしが紫耀くんに出会うこともなかったかもしれないのに。
「ごめんな、守ってやれなくて。結局めちゃくちゃだせぇよな俺、」
『そんなことないっ、』
どんな勇太くんでも好きだと思っていた。
最後にわたしを選んでくれればそれでいいと。
それでも、そんな勇太くんよりも好きな人が出来てしまったのはわたしの責任だ。
それを彼に打ち明けなかったわたしはとことんズルい。
『今までありがと、』
彼にこの隠した想いを見破られるのが怖くて、わたしは逃げるように家を出た。
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みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時