ワスレナグサ (ページ18)

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『いや、別に大したことじゃないんだけど…
あの、まとめサイト見ててね
それぞれメンバーとの関係性みたいなので…』

龍｢うん｣

食い気味の｢うん｣
この時の龍斗くんは今までは違う空気を醸し出していて少し、、少しだけ怖いと感じた

『なんか、お互いどう呼びあってるのかみたいなのもかいてあってそれで…
私が龍斗くんじゃなくて作ちゃんって呼んでるってかかれてたからちょっと気になっちゃったってだけなの…！』

龍｢…そういうことね、普通にファンの前では作ちゃんだったけどそれ以外は龍斗くんって呼んでくれてたよ｣

『そっか、そうだよね…！
ごめんね、なんか、あはは…』

龍｢それだけ？気になったのって｣

『あっ、うん
それぐらいだよ』

龍｢がりさんのことでなんか引っかからなかった？｣

『そやくん…？
うーん、2年前ぐらいからいきなりそやくん呼びにさせられたって言うのはかいてあったけど…』

龍｢ふーん、どう思った？｣

『えっ？いやそうなんだぁぐらいにしか思わなかったよ』

龍｢そっかそっかおっけー｣

ってさっきの空気とは違って少し笑顔でそれを言う龍斗くんの考えていることは到底わたしには理解できなそうだ

龍｢あっ、そろそろ行かなきゃ｣

『今日も忙しいのに来てくれてありがとう』

龍｢いいのよ、俺が来たくて来てるだけなんだし｣

じゃあねって言いながら私の頭をポンポンしてきた

病室の扉が閉まった音が聞こえたと同時に大きなため息をついた

『龍斗くんって何考えてるのかわかんない』

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ーside Ryuto

静かに病室のドアを閉める

Aに作ちゃん呼びだったことがバレてしまったけれど我ながら上手くごまかせたと思う

それにしてもどうみてもがりさんがAのこと好きって分かるようなことかいてあるのにそれよりも俺の呼び方の方が気になるなんて

｢期待してもいいのか？｣

多分このときの俺は最上級にニヤついていたと思う

(マスクしててよかったぁ)

病院の廊下を歩きながらそんなことを考える

(あともうちょっとで退院か
Aの退院祝いに何買ってあげようかな〜)

あの時、Aが俺に少し怯えていたことなど露知らず淡い期待を抱きながら気分よく病院を出た