猫アレルギーの私が転生して猫になった【名探偵コナン】

百万回生きたけれど ページ34

名探偵コナンの世界のとある女の話

※自己満読みきり

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あるとき私は工藤新一に罪を暴かれた犯罪者によって殺された被害者だった

あるとき私は黒の組織の一員だった

あるとき私はFBI捜査官だった

あるとき私は組織に潜入するノックだった

あるとき私は公安警察だった

あるとき私は子供にされた探偵の仲間だった





そして私は仲間の死を目にして来た




あるとき男は組織の最後の幹部として不敵に笑いながら海に沈んだ

あるときはスナイパーとして最後まで任務を遂げ爆破に巻き込まれた男がいた

あるときノックだとバレた私を生かそうと奮闘した男は自ら命を絶った

あるとき全てを抱え込んだ男は己を失いながらも全てを守るため命を散らせた

あるときは復讐と重い使命に囚われそれらを果たせぬまま姿を消した





私はいつも最後まで生きていた



全ての終わりを見てきた


全て終わりは違った





真実が知れぬまま終わりを告げたときも

真実を知った上でそれを覆したときも

そう望み、それが叶わなかったときも



最後に真実が明るみにでたときも





死んでいった仲間は私に沢山のものを託した




あるときは組織の行く末を見届けろと
生きることを諦めるなと
この国を守れと
真実を捜し出せと



精一杯生きろ、と








私は何度も死に、そして何度も生きた


何百何千何万と世界は回った

死んでも彼らと出会った

いつも彼らは変わらなかった

いつも彼らは何かに囚われ続けもがき続けていた

いつも彼らは黒い闇で白い光だった








「今回こそ、私は終われる……？」









そうだとしたら幸せなのだろうか

なら私は何のために生きては死に
死んでは生きたのか



今回は今までで一番長いだろう




ジンは組織を守り

赤井秀一は自分の生死さえ欺き生き延び

降谷零はノックだとバレることなく

工藤新一は志を共にする仲間に出会い

宮野志保は未来を見つめ


彼らは闇を消そうと動く
彼は闇に染めようと動く







これが神が望んだ世界だとしたら
最初からこの結末を描いていたとしたのなら

私は最後まで見る義務があるのだろうか







私は百万回生きた


それでも私はそんなこと望んでなどいない

生きては死に死んでは生きる


そのサークルで一人回り続け

仲間に一人取り残された



私は



百万回死を望んでいた




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