5番ブースの恋 【Ryuto S】

Story 8 ページ8

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ブースに向かうと、既に席に着いている作間くん。


昨日は制服だったけど今日は私服みたい。




『作間くん、こんばんは』


「あ、先生、こんばんは」


『今日私服なんだね、学校は？』


「時間あったんで着替えて着ちゃいました」


『それにしても作間くんオシャレだね』




制服を着ていると紛れもなく高校生だっていうことが分かるけど、私服に着替えれば、大学生って言われても疑わないかも。


オシャレな私服が、大人っぽさをより一層引きたてている。




「そうですか？」


『うん、大人っぽくてかっこいいよ』




素直に感想を述べると、明らかに嬉しそうにニコニコする作間くん。


こういうところは、高校生だなぁ、ってしみじみと実感する。




「あの、先生って彼氏いるんですか？」


『え？』


「あ、プライベートな事聞いてすみません……、昨日男の人と帰ってたので、彼氏かと」


『あっ、えっと、いや！違う！あれは、弟』




弟、みたいなものだよ。


凉くんは、元生徒！ってより瑞稀の友達！だからほぼ私の弟！


悪いことなんて何も、してない、……と自分に言い聞かせる。




『ほら、作間くん、授業始めよ。チャイムもう鳴るよ！』


「……はい、」




不服そうな作間くんを何とか言いくるめて、教科書を開いた。


ここの人間にバレたらまずいもん、やっぱり凉くんに迎えに来てもらうのご遠慮ようかな……




『Unit 11からでいいのかな？』


「あ、はい。そこで、」


『じゃあホワイトボードに本文写していくから、意味考えてみてね』




英文を写すのはちょっと面倒。


多分生徒の方もそう思ってると思うけど。


これ、物語かぁ、和訳、大変そうだな。




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