物理講義室の恋 ( yb×in )

プラトニック確信犯 ページ32

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side. yb






頭を抱えて、ひとつため息をする。



目の前にはバツがたくさんついた紙切れと、こいつ。







「お前なあ、」


「ほぁ？」


「彼氏の担当教科くらい点数取れよ」


「...う、ごめんなさい」





少しシュンとするくせに、彼氏というワードに顔を赤くしているのがかわいい。





‥‥言わねえけど。









「簡単にしたはずなんだけどな....」




テストが近づいているから、と実施した小テスト。


悪かったやつは補習！と言ったものの、比較的簡単に作ったつもりだったから皆よく出来ていた。






‥‥‥こいつ以外は。








「お前成績良かったよな...？なんでこんなわりーの？」


「今の範囲、ちょっと苦手なの」





ちょっととかいうレベルじゃねえぞこれ。





「とりあえず、このままだとテストかなりやばいから。これ解け」






問題がびっちり書かれたプリントをひらひらとかざす。





「ふぁ〜い」




気の抜けた返事をしてふわふわと動く頭。





確か前回はこんなに悪くなかったんだけどな‥‥。








「やぶ、コーヒーいれてもいい？」


「‥‥‥飲みたいの？」


「うん」


「入れてきてやるから、それやってろ」


「ふへへ、は〜い」





嬉しそうにしやがって。





準備室に行って、コーヒーを入れてやる。



俺はブラックで、伊野尾は砂糖とミルク入り。






未だにブラックコーヒーが飲めなくて、ここに来る度頑張って飲んでる姿は可愛いけど

あんまり苦そうにして飲むから、砂糖とミルクを常備するようになった。









「はい、どーぞ」


「あ、ありがと」






買い物に行ったときに、つい伊野尾がこれで飲んでるところを想像してしまって

買わずにはいられなかった青色の猫の絵が書かれたこいつ用のマグカップを、嬉しそうに受け取る。





両手で持ってふうふうと冷ます姿が可愛くて、思わずニヤけそうになるのを引き締めて


また伊野尾の、バツだらけの小テストに目を落とす。





書けているところは合ってるのに、どうも空白が多い。




前回の小テストも、定期テストだってこんな感じではなかった。





頭のいいやつなのにここの範囲だけ出来ないって、珍しいこともあるんだな。









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