シンデレラ・ガール＊3＊

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どうして走って帰ってきた私のすぐあとに歩いて帰ってきた神山智洋が帰ってくんの！？！？









歩幅が違うの！？









「おかえり、智洋」




「翔くんただいま。…えーと、た、立てます？」



「大丈夫…です…」









なんだかよくわからない悔しさが…。



そしてまた直後に玄関のドアが開く。








今度は誰よ…って思って後ろを向いたら1番見たくない顔。









それはどうやらお互い様。









「…チッ、邪魔」









いやもう、何も言い返す気にならない。




櫻井さんは小さな声で「望」と怒るけどそんなことお構い無しにスタスタと家に上がって手前の自室に入る。





…あぁ…イライラもしない…悔しさってすごい…









「A様、とりあえずお上がり下さい。制服が汚れてしまいますよ。」









櫻井さんが手を取って私を立ち上がらせる。









「大丈夫です…支えなくても…」









フラフラの足でリビングへの扉を開けてソファーに倒れ込むと、ほんのりといい香りがしてきた。






「この匂い…？」









「あぁ、智洋ですね。

今日は金曜日なのでお菓子でも作っているんでしょう。」









櫻井さんが言うには、神山智洋は毎週金曜日にオリジナルスイーツを作っているらしい。









それが彼の息抜きなんだとか。

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