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「悪いけど俺も"視る"タイプの能力だから」
「タチ悪いの飼い慣らしてるね…」
銃弾を見切り、避けたジョングクくんはテミンに向かって拳を振り翳す。
バックステップで距離をとるテミンはもう一度ジョングクくんに向けて数発撃つが、容易く避けられていた。
お互い一進一退の攻防を繰り広げるテミンとジョングクくんを見ていると、視界が歪んできた。
「……っ」
「やっと薬の効果が効いてきた？」
床に手をついていると、スジョンと呼ばれていた女性がすぐ側で私を見下ろしていた。
綺麗な顔を明らかに不機嫌そうにし、私の腕をぐっと掴んでくる。
「立って、ここから出るんだから」
「…わたし、…」
「なに？テミンにあそこまで言われても尚、組織のことを信用するわけ？あんたの頭の中はお花畑？記憶がないってのもお気楽なものね」
結構酷いことを言われてる気がするんですが…。
テミンが言う組織の目論みが事実だという証拠はどこにもない。
だけどジョングクくんのあの言葉は恐らく真実なのだろうと、そう思わせるのはきっと彼が"あの方"と呼ぶ存在のせい…。
「(あぁ…ホントに)」
あの人の存在は、どうしても引っ掛かる。
あの時断片的に思い出した記憶の中のあの人は、私と…そして、私と一緒にいた誰かを使って、まるで何かの実験をしていたように見えて…。
「…はなして」
「…はぁ？」
「離して、ください…」
今、私は、真実を知る必要があるのではないだろうか？
掴まれた腕を力強く振り払うとより一層スジョンの眉間には深い皺が刻まれ、あのねぇ…。とうんざりとしたように睨んでくる。
「あんたみたいな奴、一番嫌い」
向けられた嫌悪感に私は彼女の瞳とかち合う。
並々ならぬその感情は、はっきりと窺えてしまい、逆に清々しい。
この人は、本当に私が嫌いなのだろう、と。
「何も出来ないくせに何かしなきゃっていうその正義感。結局守られてばかりいるってことを自覚したら？あんたが出来ることと言えば唯一、組織から逃げること。それしか道は残されてない」
「………」
元々出来ることなんて限られてる。
いや、少な過ぎる。
理解していた。
だけど、それでも…。
「…私は今、自分の出来ることをやるよ」
困ったように笑う私に向け、……ほんっと嫌い。とスジョンは吐き捨てるようにそう言っていた。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
