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ジス side
僕は僕自身を善人だなんて思わない。
ーーー
「これは…ちょっとマズイかな」
先程の爆発音と建物の揺れ。
どう考えたって、これは何者かによる組織への襲撃にしか思えなかった。
非常用の電力は心許なく部屋を照らし、僕はデスクの引き出しを開け、拳銃を取り出す。
攻撃系の能力を持ち合わせてない僕はせめてもこういう物で、最低限自分の身を守らなくては。
「さて、どうしようかな」
医務室から出た僕は、先ず初めに一番近いジョンハンの部屋へと足を向けた。
騒がしいと思っていた本部内はあまりにも静寂が空間を包んでいて、違和感を覚える。
そしてジョンハンの部屋の前に着いた頃。
「あ、組織の人間見っけ」
「………」
目の前に現れた男に僕は無言で拳銃を構えた。
「ちょ、怖い怖い。流石に撃たれたら俺も死んじゃうんだけど？」
軽そうなノリは今の状況に全く不釣り合いで、僕は眉を寄せる。
「君、何者？」
「何者って言われてもなぁ…う〜ん…」
笑いながら、なんだろ？と逆に問われ少しだけイラッとしてしまった。
「まぁ、強いて言えばあれかな。囚われのお姫様を救い出す勇者御一行の1人、みたいな？」
「…は？」
その例えはどうにもピンと来ない。
それだとまるで…。
「僕らが悪者みたいな言い方だね」
「ん〜俺らからしたら組織の人間はみんな悪者だよ」
僕の疑問にそう答えた男の隣に突如鏡のようなものが現れ、僕はとっさに反応をした。
「能力者っ」
「ごめんな。個人的に恨みはないんだけどさ」
男に向け引き金を引こうとする。
だけどそのタイミングで部屋から出てきたジョンハンの姿に僕は思わず叫ぶ。
「ハニ！」
僕の声はジョンハンに届くことはなく、男の能力により辺りが光に包まれた。
パッと目を開けた時、自分がさっきまでと違う場所に立っていることに気付く。
「ここ…」
真っ白な部屋の中央には女性が横たわっており、その女性を取り囲むように多くの人間がいた。
その中には…自分の姿もあり息を呑む。
「(あぁ…これは…)」
昔の、自分だ。
組織に来る前の。
どうしようもなく愚かな頃の自分の姿。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
