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「あの〜私どこに連れて行かれるのでしょうか？」
「"あの方"のところだよ」
思わず畏まった喋り方になりながら、私は首だけを捻り後ろを見る。
私が座る車椅子を押すジョングクくんは私に視線を落とすと、そう言って黙ってしまった。
ふぅ。と小さく息をつく。
結局、警戒するジュンくんをスンチョルさんが宥め、私はよくわからないまま、ここまで連れて来られた。
スンチョルさんが黙ってしまうほどの"あの方"の存在とは？
どこか不安に駆られながら、推される車椅子に揺られ私はきゅっと唇を結んだ。
「ここ」
案内させられた場所は、私が組織本部の中でも普段立ち入らない場所。
組織に関して、私はまだまだ知らないことが沢山ある。
私は何故か、全身で嫌な気配を感じ取った。
「連れて来ました」
大きな扉が自動で開き、その部屋の中へと入ってい
く。
実験場のような場所で私を待っていたのか。ジョングクくんが声を掛けた人物は、私の存在に気付くとにっこりと笑みを浮かべてきた。
「あぁ、A。久しいですね。私のことを覚えていますか？」
柔和な笑みを向けてくる、男の人に私は、首を傾げる。
「…おぼ、え？」
刹那。
フラッシュバックが起きる。
『無効化能力の前例は僅かだから』
白い空間に。
『少し痛いかもしれないけど、我慢するんだよ？』
実験台に繋がれた、私と、誰か。
そして、私達を取り囲む沢山の大人。
「………っ」
酷く頭が痛い。
だけど、これは確実だ。
私はこの人を、知っていた。
その人は車椅子に座る私と視線を合わせ、まるで小さな子供を相手にするように接してくる。
「おや。その様子だと、頭の中のどこかでは私のことを覚えているみたいですね」
嬉しい限りです。と頭を撫でてくるその人に込み上げてくる嫌悪感。
車椅子から立ち上がろうとすると、動かないで。とジョングクくんから強く身体を抑えつけられ、睨み付ける。
「会うのが遅くなってしまったことはとても申し訳なく思っていたのです。何せ色々と忙しかったものですから。だけど、またこうして君と再会出来て、大変喜ばしく思いますよ」
「…私を知っているんですか」
私を知る数少ない人間。
この人は、私のなにを知っているのか。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
