75 ページ25
「そこまでしてチャニョルを助けたい理由はなんだよ？そいつは犯罪の片棒を担いでたんだぞ。沢山の人間が死んだ原因はそいつにもある」
ジョンハンさんの言いたいことはわかる。
スンチョルさんも言っていたけど、理由はなんであれチャニョルのしてきたことは許されない。
「わかってます。チャニョルのしてきたことは許されない。それはチャニョル自身も理解してます。でも、チャニョルは…家族を守りたかった。ただそれだけです。死ねばそれで良いんですか？」
「………」
「そんなのってあまりにも悲しいじゃないですか」
チャニョルは全てが終わったら罪を償うと言っていた。
そんな彼の意志を蔑ろになんてしたくない。
何よりも…チャニョルが死んだら悲しむ人だっている。ベクヒョンやセフン…それに。
「(…私だって嫌だよ)」
別に仲間とか家族とかそんなんじゃない。
利害が一致して一時的に手を組んだだけの関係。
でも嫌なものは嫌だ。わがままだとかお人好しだとか、そう言われてもいい。
「私はチャニョルを助けます」
気休め程度だが、私は上着を脱ぎチャニョルの傷口をキツく縛る。
やらないよりはマシだ。と思いながらチャニョルを背負おうとするとジョンハンさんがぶっきらぼうに、貸せ。とチャニョルを代わりに担いでくれた。
「お前じゃ無理だろ」
「…助ける理由がないのでは？」
「…うるせ。こいつの為じゃない。お前の為だ」
嫌味を含めた言葉にジョンハンさんはあからさまにムスッとしていた。
なんだかんだジョンハンさんは優しいんだから…私はそんな優しさに甘えてる。
「おい、ウォヌ。そっちの奴を任せていいか？」
「…良いけど。こいつはどうする？」
そっちの奴、とはベクヒョンことで。
あれ以来まるで電池が切れた玩具のようにぴくりとも動かなくなってしまったのが少々心配だった。
気絶、というよりは眠ってる？状態のようで、恐らくキムジヒョンが何かを指示しない限り動き出さないみたいだ。
そしてウォヌくんが言うこいつ、とは。
「私が見るよ。貴方は自分の足で歩いてね」
「もちろん。そのつもりだよ」
相変わらず余裕綽々なキムジヒョンの態度に眉を顰める。
私はキムジヒョンが持っていた拳銃を彼に突き付けた。
「何か変な素振りを見せたら容赦なく撃つから」
麻酔銃じゃない、本物の拳銃。
握る手が少し震えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yui(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！すみません、私のやり方が悪かったみたいで1がシリーズ一覧に出てこないのです(泣)お手数ですが、作者の作品一覧から飛んでいただけますと有難いです！ (2020年6月8日 21時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - あのこれって、「それは誰が為に2」となっておりますが、シリーズ1ってないんですか？シリーズ連載中のところを押しても2から始まるんです((長文すみません★てへぺr…((((( (2020年6月8日 19時) (レス) id: edee17033c (このIDを非表示/違反報告)
yu-i(プロフ) - ひまさん» コメントありがとうございます！我らがマンネはいつもイケメンですよね！！ (2019年11月27日 11時) (レス) id: c69704419e (このIDを非表示/違反報告)
ひま - いやーチャニイケメンすぎやわ〜今回も最高でしたー (2019年11月26日 22時) (レス) id: 22433977db (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ですよねー！いやあ、96s尊い… (2019年11月16日 13時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2019年9月17日 16時
