ペーパームーン 3 (ページ42)

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モードピンクページ42

○JAEHYUN

「あれ、今A何飲んだ？」

「…え？」

ジャニヒョンにそう言われて、ぽかんと口を開けてこっちを向いたAの耳は赤い。なんならちょっとだけ頬も赤い。さっきまで「ケーキ美味しそうだね」とか「この上のチョコ食べていい？」なんて言いながら、俺が貰ったケーキをじっと見つめていたAと比べたら、そこにアルコールが足されてしまった。かなり多くの。

『A、』

「うん？」

『酔ったの？』

「酔ってないですよ、全然」

前に座っているドヨンイヒョンが頭を抱える。だってその台詞は、酔ってる人がよく言うやつだ。

いつもの食事にお酒が加わる時、Aは度数の低いものを好んで飲むし、俺たちもAのグラスに焼酎は注がないし、気になって飲んでもほんの一口で、眉を顰めて美味しくないと言うくらいだし。だからショットに入った焼酎を、ぐいっと飲み干してしまったAに何が起こるかなんて、俺たちも初めてで、なんだか新鮮だ。

「A、とりあえず水飲んで、」

「お腹いっぱいになっちゃうよ」

『マークみたいに頭重くなるよ』

「マークはもう寝ちゃったんだねえ」

ソファーでう〜だかわ〜だか言っているマークを見て、ニコニコと笑っているAを見て思わず吹き出しそうになる。ドヨンイヒョンに怒られるから絶対笑わないけど。テヨンイヒョンが笑って怒られてるし。

『A、水飲んでだって』

「ううん、大丈夫」

『どう見ても大丈夫じゃないけど』

「オッパにあげる」

どうぞと強く持たされてしまったグラスにたくさん入れられた水を、俺が飲まないと満足しないのかもしれないけれど、横からのヒョンの視線があまりにも痛い。誕生日だから隣来てよって言った俺が悪いんだっけ、あれ？俺って今日主役じゃなかったっけ。

『飲めば良いの？俺が』

「オッパ好きでしょう、お酒」

『これお酒じゃないよ』

「あれ、じゃあ何？」

「ジェヒョナ、ちょっと避けて」

いつの間にか隣に来ていたユタヒョンが、俺の持つグラスをもう一度Aに手渡す。これなあに？なんて言ってる顔、絶対俺たち以外に見せないで欲しい。