�� ページ41
○
『僕がヌナを迎えに行ったって良いんだよ』
「……それでもいいよ」
『でもそれはやらない。ヌナが待ってるのはヒョンだもん』
「なんでわかるの？」
『昨日ヌナと会ったとき、ロンジュニはあれから元気出たかなって言ってたから』
たまたま会社にいたヌナが、小さな会議室に僕とチソンを呼んで、ご飯を奢ってくれた。「あれからロンジュニと話せてないけど、あの子は泣いてなかった？」と僕たちに聞くヌナが、少しだけ困ったように笑うから、僕とチソンは何も言えなかった。だから今は、絶対にヒョンが、ヌナを迎えに行かないといけない。ヌナが待っているのは、ロンジュニヒョンだから。
「本当にAヌナがそう言ったの？」
『なんで僕が嘘つくの』
「…本当に？」
『早く行かないとヌナどっか行っちゃうよ』
ドアを勝手に開ければ、慌ててヒョンが飛び出すように走って行く。チソンから来ていた連絡を返して袋を漁っていたら、ドアが開く。僕を見たヌナが、びっくりしたように目を見開いて、それから笑った。
「チョンロ！昨日ぶりだね」
『ヌナチョコ食べる？まあ後からいくらでも食べられるけど』
「今からどこに行くの？」
「僕たちの宿舎！パーティーしよう！」
「パーティー？ほんとに？」
Aヌナを見ながら楽しそうに話すヒョンを見て、マネヒョンも少しだけ嬉しそうだった。そういう僕も、後ろから見る2人がなんだか可愛く見えて、こっそりと写真を撮ってグループに送る。宿舎の準備は終わったかな。
ピコピコ鳴り続ける通知は、ヌナと距離が近い！と言うヘチャニヒョンからだけど、今日の席順はややこしくなりそうだな。いやでも、参戦したら面白いかも。チソンも引っ張って皆でじゃんけんをしよう。まだパーティーは始まったばかりだ。
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作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
