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そう言ったヒョンがあまりにも誇らしげな顔をしているから、僕も納得してしまう。休憩中もヌナはずっと体を動かしているから、動きを止めた時を狙ってヌナのところまで走って行く。
『Aヌナ、お水どうぞ』
「わ、ありがとう」
『あと、』
「ん？」
『これも良かったら』
ちょうど今日買ってきていたチョコレートを渡せば、ヌナの目がぱちぱちっと瞬きをして、いつもみたいにほっぺたを撫でてくれた。
「これも？ありがとう」
『制限中だったら、後で食べてください』
「これはご褒美にするね」
『ご褒美？』
「うん、頑張ったなあって思ったときに食べるの」
『ヌナはいつでも頑張ってると思うけど、』
「ううん、わたしはまだまだ」
テヨンイヒョンに呼ばれて、もう一度ありがとうと言いながらヌナは行ってしまう。いつの間にか隣にいたジェミニヒョンが、僕の手を引っ張って行く。ロンジュニヒョンに持っていたチョコレートの袋に手を突っ込まれてからやっと我に帰った。
『ちょ、何してるんですか』
「俺も食べる」
『ちょうだいって言ってくれればあげますよ』
「だって今ぼーっとしてたじゃん」
『それは、その、』
「チソンア、ヌナをずっと見てたもんね」
僕を囲むように座ったジェミニヒョンが、俺にもちょうだいと手を差し出すから、2つ取って手のひらに乗せる。俺にも！と言うロンジュニヒョンに2つのうちの1つを投げながら、チョコレートのセロハンがゆっくりと開く。ピンク色の髪が、空調でふわふわと揺れていた。
「Aヌナに見惚れてたの？」
『ちが、いや、違うとかじゃなくて』
「チョコは受け取って貰えたの？」
『うん、ご褒美だって』
「出た！Aヌナのご褒美」
「終わるまで食べる気ないね」
『ヒョンたちも何か渡したんですか？』
「Aヌナが好きなマフィンあげたけど、食べてるところは見てない」
口を尖らせてヌナを見るロンジュニヒョンが、つまらないと小さく呟いた。
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作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
