ペーパームーン 3 (ページ20)

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パラソルとオレンジページ20

○TAEIL

『あ、Aか』

「オッパは入らないの？」

『今は休憩中』

「暑いですもんね」

『それ誰の？』

「ジャニオッパが貸してくれました」

雲がどこかに消えてしまったみたいに青い空は、パラソルの下にいないと、その熱で溶けてしまいそうだった。ヌナたちに囲まれて、日焼け止めを塗って薄いパーカーを着せられたAは、サングラスをかけて隣に座る。ドヨンはご飯を買ってくると言ったきり、マネヒョンと一緒に行ってまだ帰ってこない。

『Aは行かないの？』

「わたしあんまり泳げないんですよ」

『あれ、そうだったっけ』

「だから見つからないように静かにしてるんです」

オッパも協力してねと渡されたアイスキャンディを食べながら、海に投げられそうになっているマークを見てAが笑う。お嬢さんも休憩？とユタが戻ってきて、大きなパラソルに3人で収まった。

「Aは行ったらダメだって？」

『俺たちと一緒にいた方がいいよ』

「オッパ、ずっと休憩していようね」

ユタが持ってきてくれたコーラを飲んで、Aが持ってきたプラスチックのコーヒーの水滴が、砂浜に模様を作る。足元の砂を少し掘ったら出てきたヤドカリをAが捕まえるから、ユタがうわ、と声を出した。

『Aってそういうの怖くないの？』

「小さいから大丈夫です」

「そのヤドカリが大きくなったらどうする？」

「うーん、一緒に入ろうかな」

ここにと貝を指差して、バイバイと砂に戻すAには、まだこっちに走ってくるヘチャンが見えていない。Aを見つけたヘチャンは、さっきまで遊んでいたマークを放って走り出して、ヌナ！と大きな声でAを呼んだ。