ペーパームーン 3 (ページ11)

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ペールイエローページ11

○TEN

「ここで合ってる？」

『合ってるよ』

「…わあ、」

まだ少し寝惚けたままだったヤンヤンの目がしっかりと開かれて、入ってくるAを見て瞬きを3回する。一昨日まで長かった髪を肩の長さまで切って、暗く染めた髪色も、やっぱりAに似合っていた。

『その髪良いじゃん』

「オッパたちに見せたのが初めてだよ」

『ドヨンイたちも見てないの？』

「昨日の夜行ったから、そのまま自分の部屋帰ったの」

「ヌナすごく綺麗だね」

「ヤンヤンもありがとう」

頬を撫でられてにっこりとしているヤンヤンは、すっかりAの可愛い弟として、いつものように可愛がられているらしい。小さな会議室に並んだ料理はAが好きなものばかりを頼んでしまったけれど、ヤンヤンも一緒に目をキラキラさせていたから大丈夫だと思う。

『というか、メンバーに言ってないんでしょ』

「どうして？」

『見たらわかるよ』

「ヒョンはAヌナのこと全部知ってるの？」

『もちろん』

笑いながらヤンヤンの口にポテトを入れたAは、この前泣きながら電話をかけてきたAで、「テンが言ってた通りになった」とドヨンイから送られてきたメッセージに書いてあるAと同じ人で、4日前まで、全く眠れなかったAだ。

『誰には言った？マネヒョン？』

「オッパと…先生には電話しました」

『ドヨンイとか倒れるんじゃない？それ見て』

「わたしはテヨンオッパの方が心配で…」

『ヒョンにも言わなかったの…』

「Aヌナ、これ食べて元気出して」

・

あの日迷子になってから、お腹が空いてるから寝れないんだよと伝えて、食べたものを送ってねと言ったところまでは頷いたのに段々と頻度が減って、合間を縫って会いに行こうとしていたら、泣きながらAから電話がかかってきた。

『A、どうしたの』

「……オッパ、」

『うん、部屋に行こうか？』

「ううん、」

『ドヨンイは？ジャニヒョンとか…テヨンイヒョンに連絡する？』

「オッパがいい」

『でも、』

「オッパは、今近くにいないでしょう」

忙しいときにごめんなさいと、電話の奥で、鼻を啜る音がする。1人では大きすぎるソファーで、ずっと泣き続けていたのかな。