�� ページ47
○JAEHYUN
今までもどこにいるかはたくさん人の集まるところを探せばわかっていたけれど、最近は一段とAが目立つ。活動するのにもう一度染め直した、テヨンイヒョンとお揃いのように染められたピンク色の髪が揺れるたびに、ヘチャンが口を開けてそれを追いかけていることに、Aは気付いているのかわからないけれど。
会社はここで、Aのイメージチェンジに力を入れたいらしい。今まで肩より長い髪を禁止してきたくせに、MVを撮る前日に美容院から出てきたAの髪は、初めて見るに近いくらい長く揺れていて、ドヨンイヒョンは買ったばかりのコーヒーを落とした。A、Aなんだよね？と声を出すだけで精一杯のヒョンに、Aが大丈夫ですかなんて声をかけるから、俺は反対に冷静になってしまったのだ。
「A、やっぱり人気だね」
『さっきテイリヒョンがたくさん写真撮ってた』
「本当？後で貰おうかな」
似合う、綺麗だ、可愛いねと言われて、ありがとうございますと笑うAはずっと困っている。輪を抜けてこっちに歩いてくるAに、ウィンウィンが声をかけた。いつもよりも上がった睫毛が、音を立てて瞬きをしているみたいだ。
「A！こっち来て」
「オッパ、メイク次じゃないの？」
「一緒に写真だけ撮らせて」
ウィンウィンがAの肩を抱いて、Aがカメラと目を合わせる。カメラを持ったドヨンイヒョンがAに近付いて、Aさんこんにちはと丁寧に言うから、やっと普段と同じように笑った。
「新しいヘアスタイルはどうですか？」
「私自身もまだ慣れていないです」
「シズニにコメントお願いします」
「これから収録頑張ります」
今日は一段と気合を入れるんだと言っていたメイクヌナの通り、近くで見たAは、今の状態のまま女の子たちとデビューしたって爆発的に人気が出る。それでも彼女は、どちらか選べるとしたら、こっちを躊躇いもなく選んでくれるだろうか。
『A、綺麗だよ』
「オッパまでやめてください」
『どうして？綺麗なのに』
「…楽しんでますよね？」
バレた？と笑えば、もう良いですなんて言いながらテヨンイヒョンのもとに歩いて行ってしまうから、その後ろ姿をカメラに収めた。ピンク色の髪色と同じくらい頬が赤くなっていたのには、気付いていないフリをして。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
