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○
「あ、テンオッパ」
「A元気？ちゃんと食べた？よく寝た？疲れてない？それ美味しい？噛んで食べてる？」
「うん。元気だよ」
頬をぺたぺた触られてもにっこりと笑うAを見て、マークが「Aはヒョンが好きだね」と呟く。
「すきだよ〜みんなもね」
『テヨンイヒョンも？』
「え？僕？」
「オッパももちろん好きですよ」
そのまま固まったヒョンを見て、Aがまたゆっくりと笑う。それはすぐにテンに崩されてしまったけれど。
「可愛いA、すくすく育つんだよ」
「オッパはお父さんになっちゃったの？」
「じゃあドヨンイがお母さんね」
『なんでだよ』
「Aがこんくらいの時から世話焼いてるじゃん」
「そんなに小さくなかったよ」
「てかそのメガネやめなって言ったよね」
「今これしか持ってないよ」
「じゃあ僕と買いに行こう」
「オッパが選ぶの？じゃあオッパも行こう」
『2人で行って来たら？』
「だってオッパ、わたしのお母さんなんでしょう？」
Aが何を諦めて何を受け入れたのか、近くにいるのにAが遠くて、手を伸ばしても届かない気がしていた。でもいつの間にか、小さな妹は大きくなって、俺が引っ込めた手を握ってくれるようになった。それならその手を、握り返さないことなんて出来ないじゃないか。
『….仕方ないなあ』
「明日待ち合わせしよう」
「いちばん可愛いの選んであげる」
「ヌナ、僕も行きたい」
「ヘチャニは明日練習だろ」
「マクヒョン、ヌナと練習どっちが大事？」
「それは、えっと、」
「ヘチャナ、明日練習室に差し入れ持ってくね」
「ほんと？明日もヌナに会えるの？」
「明日も楽しみだね」
ヘチャンの頭を撫でた後、小さく欠伸をしたAは、ゆっくりと瞬きを1つする。お腹いっぱいだから眠いねという呟きに、テンがそっと頬を撫でる。
「A昼寝したら？」
「でも、いま楽しいから」
「ヌナ一緒に寝よう」
「ヘチャンが一緒に寝てくれるの？」
「僕が特別に肩を貸してあげましょう」
「あら、ヘチャンさんありがとうございます」
手を繋いでソファーに座って、ヘチャンの肩に頭を預けたAが、すぐ静かに寝息を立てる。わぁ、と言ったままヘチャンはぴたりと固まって、口角がにんまりと上がる。そのまま目を閉じて口を開けて寝始めた頃、テヨンイヒョンが静かに写真を撮っていたことは、2人にはまだ秘密にしよう。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
