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それがキヨの手だと気付くのに少し時間がかかった。
ふと隣を見上げれば優しい笑顔で頭を撫でる姿が目に入り一気に真っ赤になってしまう。
少しの後に名残惜しそうに手が離れていくと、目の前の長身の男は少し照れ臭そうに頬をかきながらぽつりと呟く。
｢…仕事帰り？｣
｢あ、はい｣
｢いつもこんな遅いの？…あれ？でも昨日もスーツだったし、今日は残業？｣
｢そうなんです…トラブルが重なっちゃって｣
｢そっかー…大変なんだなぁ。よっしゃ、送ってく、遅いし危ないし｣
｢えぇ！？わ、悪いですよ…！！｣
｢いーや、お姉さん可愛いから危ない、ダメ｣
｢か、可愛くないですし、迷惑なんじゃ…｣
｢迷惑だったら自分から言わないっしょ？｣
｢う…確かに…｣
｢はい決まりー、どっち？｣
｢強引…！…あっちです…｣
街灯に照らされる夜の道を二人で並んで歩く。
他愛もない会話を交わしながらマンション迄の道のりを歩いていると、ふとキヨが黙る。
｢…キヨさん、どうしましたか？｣
｢名前、教えて貰ってないや｣
｢あ、そうでした。Aって言います、よろしくお願いします｣
｢Aさんね、りょーかい｣
｢なんか変な感じ…有名な人に名前呼んで貰えるのってドキドキしますね｣
｢…なーに可愛い事言ってんの？俺ただの実況者だからね？｣
｢そうなんですけど…ふふ、いつも見てたから嬉しくて｣
｢…っ…｣
照れ笑いを浮かべながら答えるA。その柔らかさと可愛らしさに言葉を失ってしまったキヨだったが、耳に響いた少し低く発せられたAの声は最近良く聞く物であると気付いた。
｢もしかして…みぃちゃん、なの…？｣
｢へ！？…あー……はい…｣
｢…最近見付けてから良く聞いてます、配信のアーカイブもちょっとずつ見てます。Twitterフォローしても良いですか？｣
｢も、もちろんですっ…あわ、わ…わ、私からしますから…！｣
慌てて携帯を取り出してTwitterを開き、キヨのアカウントへ行って早速フォローすると隣のキヨの携帯が鳴る。本当に本人なんだと実感させられて胸の鼓動が早くなるが、すぐにフォローが返って来た事で色々考えが上手くまとまらなくなった。
｢あ、ガッチさんもう既にフォローしてるじゃねぇか！！｣
｢今日気づいたらしてくれてて…返すの方が良いのか迷ってるんです｣
｢ほっとけほっとけー、その内何か言ってくるかもだしさ？｣
｢……き、緊張する…！｣
Twitterのフォローの一番目は、大物実況者のキヨになりました。
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閑万(プロフ) - 翔乃さん» うわあぁ！コメントありがとうございます、翔乃様…！！まさかこの様な作品にこんなにも素敵なコメントを頂けるなんて思っておりませんでした。キュンキュンしたのすでの方です…！ありがとうございます、日々少しずつ書き溜めておりますので…お待ち頂けると幸いです… (2023年2月3日 23時) (
レス) id: 7197de9df7 (このIDを非表示/違反報告)
翔乃(プロフ) - リアルで起きていることではないはずなのに、なんだかとてもリアルさを感じる作風がとても好きです。小説の中のキヨくんに何度キュンキュンさせられたか！ お仕事されながらの両立は大変かもしれませんが気長に更新を楽しみに待っています！ 頑張ってください！ (2023年2月3日 17時) (レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：閑万 | 作成日時：2023年1月4日 10時
