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「実はね、俺の奥さん…菜奈ちゃんが、殺されたんだ。」
『え、…？』
あまりの衝撃告白に私はどう言えばいいのか一瞬にしてわからなくなった。
手塚さんは続けて私に話す。
「嫌だったら…いいんだけど、犯人探しに…協力して欲しいなって…」
『…それは全然いいですけど…、どうして私に？』
捜査を協力するのは良いけれど、犯人探しに役に立つ根拠がない。
「ほら、あの本棚」
そう指さしている方向へと見ると、本棚の中には私のお気に入り、「シャーロック・ホームズ」のシリーズが入っていた。
『…役立つか、わかんないですけどよろしくお願いします』
なんて改まって言うと、手塚さんはありがとうと笑った。
こんなに優しく笑う人が、愛する奥さんを亡くしたなんて、信じれる人がいるだろうか。
ましてや…殺されただなんて。
「そう言えばA、ここから近くの会社って？」━━━━━━━━━
『あれ？ねえ忍。ここに来る5分前くらいに誰かと会った？なんかいい匂いがする。』
手塚さんからはしてなくて、忍からはする匂い。
あまりにもいい匂いだったので忍の発言を遮って聞いてしまった。
別に聞くことでもないとは思うけど。
「あ、黒島さんにあったからかも」
黒島さんという人もこのマンションにいるらしい。
「黒島ちゃんの匂い…する？俺全くわかんないんだけど！
まさか、くるみちゃんも鼻がいい人？」
『忍には負けますけど、人よりはいいと思います』
そう言うと、手塚さんはすげぇーと声を漏らしていた。
「もしかしたら、犯人探しに役立つかもね！」
どーやんは、人の匂い気にし過ぎてダメだけど！、と笑う手塚さんに私も笑い返した。
確かに、自分の嗅覚に対してそんなメリットを感じたことがなかった。
『手塚さんって明るく笑いますね』
「そうかな？……まぁ、笑ってないと菜奈ちゃんに「しっかりしなさい！」って怒られる気がして…」
そう悲しそうに鍋の中身を見つめる手塚さんに私は思ったことを話す。
『…今みたいに明るく笑ってたら、菜奈さんも安心だと思いますよ。』
そう言うと顔を上げてまた明るく笑って「そうだね」と鍋を食べるのを再開していた。
それに続いて私は取り皿に取っていたにんじんを口に放り込むと、にんじんはひんやりと冷たくなっていた。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます！ 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます！更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします！ (2019年9月19日 18時) (
レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます！これからもムリせず更新頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます！この小説を好きと言って貰えて嬉しいです！更新、頑張ります！ (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ！この小説好きです！更新待ってますね！ (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2019年8月22日 22時
