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『今日は、どこ行くんですか？』
「あぁ、あそこです」
と、言いながら指を指すとAさんはワクワクしながら俺の指の先を見つめると『やった…！』なんて子供みたいに、でも静かに喜んでいた。
『あの店、友達からおいしいって話は聞くんですけど中々行く時間が無くて…だから、嬉しいです』
愛おしいその姿を見て、俺はハンドルをぎゅっと握った。
…このままハンドルをぶち抜けるぐらいには彼女のことは好きだと思う。
「……着きました」
それを合図に、Aさんはシートベルトを外し車から降りた。
『ふふ、なんか、楽しいですね』
「まだ2歩歩いただけですよ」
『なんか楽しいです』
俺の隣を楽しそうに歩く彼女を見て、昔の彼女を思い出した。
…Aさんに失礼だろ。
何やってんだと、強く心の中で叱り俺は彼女の歩幅に合わせ、店まで歩いた。
中に入ると、まだ少し早く、平日ということもあってか、珍しく２,３人程しかいなかった。
『…なんだか、貸切みたいですね』
「そうですね」
俺達は、店員が案内した席へと座った。
すると、Aさんはメニュー表を見ながら『う〜ん』と悩み始めた。
『…………』
真剣に悩む姿が面白くて、俺はAさんをしばらく見ていると彼女がこちらに気づいた。
『…あ！ごめんなさい、私ばかり…』
恥ずかしそうに、申し訳なさそうに言う彼女を見て、思わず頬が緩んだ。
俺は「ゆっくりどうぞ」と言うと、Aさんは恥ずかしそうに微笑んだあと『ありがとうございます』と言い再度、メニュー表へと視線を移した。
『……よし！決めました！』
そう言うと彼女は俺にメニュー表を渡してくれた。
俺は、ペラベラっとメニュー表をめくって一通り見たあと、欲しいものが決まったため、メニュー表を立てかけた。
『…あれ、もう決まったんですか？』
「はい、決断は早いほうなんで」
…前にも言ったなこんなセリフ。
そう思ったあと、俺は呼び出しボタンを押し、店員さんを呼んだ。
『…あ、えっと…これと、これと、これ、お願いします…ライス、大盛りで…』
「…あ、じゃあ、俺はこれで」
沈黙が続いたが、やっぱり彼女がそれを破った。
『あ…いっぱい食べる人って嫌いですか？』
「ははっ」
あまりにも不安そうに聞いてくるので、俺は笑いながら首を横に振った。
「俺は、可愛いと思いますよ」
『…良かったです』
…小さな体に、あんな量が入るとはまだ信じていないが。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます！ 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます！更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします！ (2019年9月19日 18時) (
レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます！これからもムリせず更新頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます！この小説を好きと言って貰えて嬉しいです！更新、頑張ります！ (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ！この小説好きです！更新待ってますね！ (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2019年8月22日 22時
