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kamiya..
「何かあったら、こっちの方に電話をかけてください。」
俺がそんなことを言うのは初めてで、自分でも何やってんだ?と思う。
でも、目の前の彼女…胡桃沢さんは俺の連絡先を快く受け取ってくれた。
『ありがとうございます!』
ケーキのお返しをしに、またここへ来ます。
そう伝えると迷惑そうな顔もしなかった。
「にしても、可愛かったな、なぁ?神谷〜お前のタイプそうじゃんか〜」
まためんどくさい絡みをしてくる水城さんに「はいはい」と流そうとすると、ケーキの箱をまじまじと見てその直後には車内に爆音が響いた。
うるせぇ。
「…なんですか」
「おいっ、これ!!流石にお返し、しないとまずいやつじゃないか?」
何故そんなに焦ってるのだろう。
と、俺もケーキの箱を見る。
いくら、ケーキの店の種類を気にしない俺でもわかる。
このお見舞いケーキは、今行列で絶対に買えないとテレビで言われている高級スイーツ店のものだった。
「…お礼、どうしよう」
「俺がしとくんで、水城さんは気にしないでいいですよ」
そう言い、俺は「わかった、ありがとな」と言う水城さんが助手席でシートベルトをしたことを確認してアクセルを踏んだ。
数十メートル進んだところで水城さんが話しかけてきた。
「にしても、お前がお礼なんて珍しいな」
「そうですかね」
「好きなのか!おい好きなのか!」と茶化してくる水城さんを無視し、俺は水城さんを目的地の署に降ろし、病院へと向かった。
「ありました!えっと、今日まで入院していて…ついさっき退院しました。」
病院で胡桃沢Aさんが本当に入院していたかを調べるために俺は受付の方で調べてもらった。
「入院はどれくらいしてたんですか」
「約1年間…ですね」
どうやら、本当だったようだ。
別に疑っていた訳でもないけど。
俺は「ありがとうございました」と頭を下げ、病院を出た。
聞いた話をザッと整理すると「1年前の交通事故で植物状態だった」「犯人は未だ未逮捕」ということらしい。
あのマンション、マジで変わった人しかいねぇな。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時