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二人とも、沙和のことを話してくれたあと、総一くんのことを話される。
「まずは…くるみちゃんごめん!」
突然頭を下げられて、困惑していると翔太さんが謝った理由を紅茶を1口飲んだ忍が話す。
「Aは、この交換殺人ゲームの犯人をAIに分析させてることは知ってるよね?」
『うん、知ってるよ』
「…それで、総一くんを分析してみたんだ。そしたら…この交換殺人ゲームに関わった確率が75.3%って、出た。」
私は、沙和が話していたことを思い出した。
"総一くん、優しい子なんだよ。この前はね猫を助けたんだよ〜でも病院に行くと"
«猫、死んでたんだ»
今だから、納得が行く。
犯罪を起こす子供は、動物を殺すというケースが一般的とされている。
それに総一くんはピッタリと当てはまってしまうのだ。
『…でも、それでなんで翔太さんが?』
「俺が…あの時くるみちゃんを行かせてなければ…こんなことには…」
『…ふふ』
珍しく、シュンっ…としている翔太さんに私は面白くて笑った。
「あれ…?くるみちゃん怒って…ない?」
『なんで怒るんですか。別に私、死んだ訳でもないですし…』
そう言った直後、わかりやすく翔太さんの顔が明るくなって、立ち上がって私に宣言してきた。
「よし!じゃあ明日の晩御飯の鍋、くるみちゃんの好きな具材増量しちゃいまーす」
『んー、何が好きだと思いますか!』
翔太さんにクイズを出すと即答で「肉団子!」と言うので『それは翔太さんが好きなだけですよ!』と言うとちぇーっと言い、本格的に悩み始めた。
「…にんじんでしょ」
意外にも答えを出したのは幼い頃に私の近所に住んでいた忍だった。
『さすが〜!ってことで翔太さん、お願いします!』
「おっけーい!グッジョブ!」
そう笑う翔太さんは「あ、もうそろそろ帰らなきゃ」とスマホの画面に表示される時計を見てそう言った。
私は玄関まで送っていく。
「じゃあね〜!」
「…じゃあ」
翔太さんと、比べてテンション低めな忍に私は忍の肩を掴んで言う。
『…大丈夫だって、絶対に!』
そう言うと、少し安心したように頭を縦に小さく振った。
2人が帰ったあと、2人と私が使ったティーカップを洗う。
『…神谷さんが言わないなんて…』
いつもだったら些細なことでも言ってくれるのに。
でも、神谷さんは優しい。
きっと、彼なりの優しさというものだろう。
ティーカップを洗いながら、私は微笑んだ。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時