5話 赤い金魚 ページ21
貴方side
貴｢赤い金魚...。｣
私は吐きそうになったのをぐっと堪えて
六郎と東海林に少し説明した。
久｢赤い金魚って...?｣
貴｢中堂さんが探してる犯人の証拠
殺されたお姉さんの口の中にも同じ模様があったの｡｣
そのご遺体を解剖するため
UDIへと運んだ。
すると予想通り中堂さんは鬼のような顔で入ってきた。
神｢中堂さん!｣
中｢俺が執刀する｡｣
私は、ため息を零し中堂さんに話す。
貴｢私が第1執刀医よ｡
この人を殺したのが同じ犯人なら､中堂さんは関係者｡
犯人憎さに結果をねじ曲げたと思われたら
後の裁判で不利｡つまり裁けなくなる恐れがあるってことよ。｣
中｢裁判はどうでも...。｣
貴｢鑑定者の名前は､私じゃなきゃダメなの｡｣
中｢そんなもんは...。｣
所長を押しのけるようにこちらへ詰めよってくる彼に言い放った。
貴「そういう所よ。せっかく手がかりが見つかったの。｣
すると中堂さんは冷静になったのか
中｢...すまん｡｣
そう一言だけ返してきた。
貴｢犯人を...今度こそ見つける｡絶対に。｣
────────────────────
今回は事件性が高いものとして
警察の立ち会いの元で解剖が行われた｡
三｢外傷は無し｡下腹部に変色無し｡
腐敗は進んでない｡｣
体温も外気温と同じとなると
死後48時間前後だと推測される｡
三｢肺水腫が見られる...。｣
貴｢中毒症状の可能性...。｣
そこから胃の内容物を出してみると
強烈な臭いに包まれた｡
死後48時間でこんなに腐るのは無理がある｡
撮影した口内の写真をモニターで確認すると
発見された遺体の中で1番綺麗に赤い金魚が写し出されていた｡
三｢これ､口の中に何か押し込まれてた？｣
久｢写真から形を推測出来るかもしれません｡｣
口の中の印は六郎のパソコン技術に委ねることにした。
その後も毛利さん方と会議スペースで
ご遺体についての報告と説明をする事になった。
死因の手がかりになる事件の内容も
情報としてもらえる。
隣にいる中堂さんは
毛利さんから出された資料を1文字も逃さぬよう必死に見ている。
神｢被害者の身元は分かったんでしょうか...?｣
向｢橘芹菜さんと判明されました｡｣
久｢口腔内の写真から､
口の中にいれられたものを再現しました｡
形､大きさから合致したものがこれです｡｣
映し出されたのは
魚の形が複数ついた犬用のボールだった｡
犬…用……?
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雫(プロフ) - 明里香さん» すみません！ありがとうございます！ (2019年1月7日 18時) (
レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「久辺部」ではなく、「久部」です。 (2019年1月7日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2018年8月23日 17時
