貴方以外を愛すことは出来ないのに[wrwrd] (ページ6)

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tn｢A…｣

『慰めの言葉もさよならも要らないから…もう､何処かへ消えて…お願い｡』

これ以上貴方の辛そうな顔は見たくない｡
貴方のその声は､皆を笑顔にする言葉が良く似合う…だから､私なんかを慰める言葉は似合わない｡

これが私と､トントンのラストシーン｡
病弱な少女と国の幹部の2人の映画(こい)に相応しい最後｡

トントンは､完璧な人じゃなかった｡
弱い所だってあった｡
そんなギャップに惹かれて､いつの間にか好きになってた｡
でも､私の束縛しすぎる愛し方が間違っていたの…｡

あなたと私だけの世界の片隅で平穏に暮らしていたかった｡
でも､その世界は病気によってあっけなく壊されてしまった｡

辛い?悲しい?そんな悲しみの台詞､私は言いたくない｡
だって､私とトントンのこの愛に似合う言葉じゃないでしょ?

最後は綺麗に､美しく終わりたい｡
貴方と最後までずっといたい｡
でも､あなたには笑顔で居てもらいたい｡
だから
明かりは消したままで､古いレコードをかけたままで
ここから出ていって｡
私がここで眠っているうちに…