【イナGO】お嬢様のお気の召すままに。【天河原】２ (ページ4)

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第三十四話ページ4

「ん…」

剣「先輩…ッ！

よかった…目が覚めたんですね」

目が覚めたら保健室の天井と、京介の顔が見えた。

剣「俺が部室に行ったら先輩が倒れてたんで、ビックリしました。

具合、悪かったんですか…？すみません、俺一緒に居たのに気づけなくて…」

私の手を握って自分の眉間に当てる京介。

ユニフォーム姿の京介。

倒れてからずっと、傍に居てくれたのかな。

「京介、ごめんね…」

ゆっくり起き上がって京介を抱きしめる。

好きな人に心配かけちゃったな。

剣「先輩、起き上がって大丈夫なんですか？

まだ寝てた方がいいんじゃ…」

「平気よ。それよりずっと一緒に居てくれたんでしょう？

それに、保健室まで運んでくれてありがとう。

重かったでしょ、私」

お礼を言って京介から離れて伸びをする。

時計を見るとちょうど12時を回った所だった。

「うそ、もうお昼？

京介、ご飯どうする？一緒に食べない？」

まだ心配そうな京介の頬に手を添えて問いかける。

京介は眉を下げたままちょっと微笑んだ

剣「食べます。

着替えとか先輩の鞄も部室に置いたままなので、部室でもいいですか？」

「えぇ、構わないわよ。

行きましょ！」

ベッドから降りて京介より先に扉の方へ向かう。

京介はゆっくり立ち上がって歩いて私の方へ来る。

剣「……。」

「え？何か言った？」

剣「いえ。なんでもないです。

行きましょうか」

京介はそう言って私の手を握る。

学校で手を繋いで歩くなんて、なんだか恥ずかしい。

でも、嬉しくて京介の手を握り返して一緒に保健室を後にした。

　

　

　

　

　

　

剣「…、先輩を運んだのは、俺じゃない。」