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第五十五話 ページ25

春「これが私の知っている話ね。

会わなかったら子供なんて忘れちゃうもの、仕方ないわね」

ふふっと思い出し笑いをする春奈先生。

小さい頃に喜多たちに会っていて、私が自分で婚約者として選んでいたなんて。

子供の戯言で終わらせて欲しかったな、と頭を抱える。

そりゃお父様が意地になるわけだ。

春「隼総くんに関してはフィフスセクターに居た頃、会ったりしなかったの?

Aちゃんはフィフスとの関わりを隠していたようだけど…隼総くんは気づいてたんじゃない?」

「それはない、と思うわ。

京介とも雷門で初めて会ったって事にしてるのよ。

京介にバレてないもの、気づかれてるはずないわ」

頭を抱えたまま返事をする。

今は頭の中を整理するので精一杯だ。

四人の事、全然覚えてない。

これっぽっちも。

サッカーの事を教えてくれた人が居るのは覚えているけれど、それがあの四人だったかどうかなんて。

全部分からない。

春「まぁ、子供のときの話よ。

無理に思い出さなくても、これから彼たちのことを知っていけばいいんじゃないかしら?」

私の頭を撫でながらちょっと焦った声で言う春奈先生

はぁ、とため息を吐いた。

私が覚えてないだけで、四人は覚えてるのかもしれない。

だとしたら、私はこれから四人にどう接すればいいのか。

星降はさっきビンタしちゃったし。

「…あ」

春「どうしたの?」

思い出してじんわりと痛む腕を押さえる。

冷や汗が流れてきた。

「さっき、勢いに任せて星降を叩いちゃったわ。」

春「あらら…それは謝った方が良いかもしれないわね」

春奈先生になんともいえない顔をされる。

もし仮に、あの四人が昔の事を覚えていたとしたら、私は最低だ。

お父様に選ばれてきたわけじゃない。

私が選んだ相手なのに、忘れてたからって勝手に怒って叩いた。

もう一度頭を抱えて考え込む。

今日は頭を働かせすぎたせいで、あんまり解決策は出てこないけれど。


どうしようもない問題に、またため息を吐くとガラッと保健室の扉が開いた。

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作品ジャンル:アニメ
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汰ると(プロフ) - 魅蘭さん» ありがとうございます! そう言ってもらえるととても嬉しいです! (2018年6月25日 2時) (レス) id: c95733875d (このIDを非表示/違反報告)
魅蘭(プロフ) - 天河原中大好きなのでほんとに嬉しいです!これからも更新楽しみに待ってます! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 15cc713f0e (このIDを非表示/違反報告)
凜太朗(プロフ) - ツクヨミ☆ノアさん» ありがとうございます!! (2018年6月20日 13時) (レス) id: c95733875d (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ☆ノア(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年6月19日 19時) (レス) id: d751ca0591 (このIDを非表示/違反報告)
凜太朗(プロフ) - 名無し69292号さん» ありがとうございます! (2018年6月16日 1時) (レス) id: c95733875d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:汰ると | 作成日時:2018年6月15日 20時

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