この人達が天文部ナリ side S ページ6
終礼のチャイムが鳴り響く校舎。
何か好きなんだよね、今日も１日終わった解放感っていうのかな。
荷物を片付けて、旧校舎にある部室へ向かう。
今日は智くん、ちゃんと授業受けてるのかな。笑
うちの学校、新校舎はコンクリート造りの綺麗な建物で、結構それが理由でこの学校入りたがる子もいるんだけど
旧校舎は正反対の木造なんだよね。
2階にある部室を目指して、階段に足を掛けたとき、
ふっ と聴こえてきた、懐かしい音。
フランツ・リストの超絶技巧練習曲。
プロのピアニストでさえ、演奏を避けるという、物凄く難易度の高い曲。
それを、こんなにも軽やかに弾く人を、
俺は一人しか知らない。
でも、、、違う。
「あっニノちゃん！どうしたの、こんな所で！もしかして、体験？？」
2階の、部室とは反対の方向にある音楽室を覗くと、そこには相葉くんと、
「えっ何？体験？
あ、もしかして相葉さん、天文部だったの？
えっ嘘でしょ、俺止めとこっかな」
ピアノの前に座っていたのは、やっぱり、
君だった。
「まあまあそう言わずに、ねっ！！
一回見ていきなよ、めっちゃ自由だからさ！」
「自由って何なの。普通、部活ってそんなに自由なもんじゃないでしょ。」
相葉くんとやいやい、賑やかに言い合いをしていた君が、ふっとこっちに目を向ける。
「あ、どうも……」
「わあ翔ちゃん、丁度良かった！この子ニノって言うんだけど体験していくって！！」
「いや別にそうとは言ってないんだけ」
「ほらほらっ！行くよっ
部室はこっちだから！」
相変わらず相葉ワールド全開だな、おい
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作者名：yellowstorm | 作成日時：2019年7月12日 19時
