side N ページ14
「ほい」
長い長い授業の終わりを告げてくれたチャイムに感謝していると後ろからぽん、と置かれたのは数学のノート。
「後半、ほとんど写してないだろ」
さすがイケメン。心もイケメン。
でも今はちょっと、ノートを写す気分じゃあ、ないんですよねー…
「んで、それは家に持って帰ってゆっくり写せばいいから、ニノはこっち」
そう言うと、俺の椅子を引いて(さすがジェントル) ゆっくり立たせてくれる。
何か、どこかにつれていかれる気がするなあ。
「えー何潤くん。別にだいじょーぶだよー？」
「いいから。後ろから見てる方の気持ちにもなってみろよ。心配ったらありゃしないんだよ」
半ば強制連行される俺。 笑
ま、いっか。次の時間技術だし。先生照人だし。
あ、照人って桐山先生のことね。
先生呼び捨てにするな？
別にいーよ照人なんだから。笑
で、まあ、それはいいとして。
「…先生いないな」
「いないねぇ」
「何でこの人はここに居るんだろ」
「さぁ……？」
ベッドを覗けば気持ち良さそうにスヤスヤと眠る大野さんの姿が。
「ま、この人は放っといて。
ニノ寝とけよ。カード俺が書いとくからさ。」
んー………
じゃ、ありがたくそうさせてもらおっかな。
「熱あるー？」
そう言うと俺の額に手を置く潤くん。
ねえ顔近いよ、やっぱりかっこいいわ、こっちが恥ずかしくなるでしょう？これ絶対女子から嫉妬されるやつじゃん。笑
「微熱くらいかなー。もうちょいあるかな？」
潤くんの手、ひんやりしてて気持ちいいなぁ。
そのまま目を閉じると一気に眠気が襲ってきた。
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作者名：yellowstorm | 作成日時：2019年7月12日 19時
