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ウタだって親がいない
親がいない私もウタの気持ちは分かる
誰だって自分のお父さんやお母さんを独り占めしたいのだ
それは誰だって思うこと。私はウタより5年早く生まれてウタよりもシャンクスをずっと独り占めしてた
だから今度はウタの番。私は我慢しなきゃ
だって私は『お姉ちゃん』だから
ウタはシャンクスの手を引きながら船を降りていった
たまたま停船した島で一緒に探検をするらしい
2人きりの方が良いだろうしと思って、私は船に残ることにした
ルゥさんやヤソップさんだって船にはいるし、ベックマンさんだって残ってくれてる
シャンクスだけが私の“親”ではない
「お前は行かなくていいのか?ララ」
「うん。大丈夫。私はお留守番してるよ」
ヤソップさんが気にかけてくれたのか私に声を掛けてくれた
変な気遣いさせちゃったかな
船を降りたいとかそこまで思わなかったからっていうのもあるんだけど
「お前は我慢しがちだからなぁ…言いたい事はちゃんと言えよ?」
「…うん」
ニッと笑いながら私の肩に手を置くヤソップさん
ヤソップさんにも子供がいると前に聞いていたから、きっと私の事を気にかけてくれるのはそういうところからきてるのかも
本当の意味で親なのもあるからかな
「そうだララ！1曲歌ってくれよ！な！」
「え!?今…?」
「お！いいじゃねえか！」
「久々に聞くか！ララの歌を！」
ルゥさんの一言を皮切りにヤソップさんやパンチさんも次々に歌のリクエストをしてきた
嫌では無いけど、いつも歌う時に私は緊張してしまう…
でも歌を歌うのは何よりも大好き。歌は私の得意だから
「分かった。リクエストにお応えするよ。曲は…」
伴奏がないアカペラ。私だけの声が船内に響き渡る
この時間が楽しい。この時間だけ、何もかもを忘れられる気がする
そう。私だけの時間なのだ
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