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「開けてもええ？」
「どうぞ」
気持ち急いて、袋びりびりに破りそうなって、
見兼ねたともが綺麗に開けてくれた。
中身はシックで大人な腕時計。
「むっちゃカッコええ！」
「大毅、気に入ってくれた？」
「うん！
俺、時計なんか、
高校ん時からおんなじ、
おとんのお下がりやったから」
「知ってる」
ちょっと含み笑いしてる、とも。
「こんなおしゃれなん、似合う気がしいひん」
「そんなことないよ。
大毅に似合うと思って選んでんから」
俺の手首に、ともが付けてくれる。
カチャカチャっていう金具の音と、
たまに触れる温度に、心臓がばくばく言う。
「めっちゃええ。
大人の男って感じ」
そう言うた後。
とも、照れくさそうに笑ったくせに、
はしゃいで俺の腕に掴まってきた。
「ほんまに？
そんなん言われたら、調子乗るで」
「ええけど、
ほどほどにしといて」
とも、ふふってわろてる。
かあわええなあ。
繋いだ手をポケットに仕舞って、
イルミネーションの中を歩き出す。
周りの目なんか気にならへん。
「大毅、大好きやで」
ともが小さい声で呟いた・・・
雪の中をロープウェイで下って、
日常とは違う、
少し気取り顔の、彩られた街の中を歩いて。
それとは真逆の殺風景な、
おんぼろ寮まで帰って来たけど、
心の中に余韻がまだ残ってる。
ずっとずっと我慢してたから。
早くキスして、抱きしめたい。
ストーブつけて、ダウンジャケットかけてたら・・・
ともが俺の後ろ、やって来て。
ぴとって背中から抱きついてきた。
「とも？」
「ずっとこうしたかったん」
「とも、どうしてん？
珍しい素直やんか」
振り返って、
雪で濡れた、とものニット帽を外す。
短い前髪、やっぱ可愛えて、
形のええおでこ、確かめるように、触ってまう。
「俺、いつも素直やもん」
「そうやな。
ともはいつも可愛ええ」
潤んだ、ともの瞳に吸い込まれてく。
窓の外では真っ白な雪が降り続いてて・・・
薄暗い部屋をぼんやりと照らす。
ともが俺の袖口摘んで、揺らして。
「大毅、キスして・・・」
そんな、可愛ええ、おねだりするから。
もう、目の前の愛おしいこの子しか、
見えへんなってまう・・・
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fool(プロフ) - みさきさん» この作品に並ぶものを自分の中で書けたらなあと日々思っておりますがなかなか💦また他の作品にも遊びに来て下さいね〜🥰 (2022年6月15日 21時) (
レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - みさきさん» お返事遅くなりごめんなさい〜🙏読み返してもらえるなんて感激です🥺私もBL作品の中ではこの作品が一番好きなんですよ〜💖だから嬉しい〜✨殴られたのか？優しく認めてもらえたのか？そこは謎のまんまですね〜 (2022年6月15日 21時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 久しぶりにこちらの作品イッキ読みしてしまいました！何度読んでも好きな作品第1位です！またいつかお父さんに殴られたのか結果をお聞きしたいです(^^)/ (2022年6月12日 9時) (レス) @page50 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ずっとまっすぐで男らしい赤くんも好きだからこそ色々考えすぎてしまう緑くんも素敵な人で大好きな2人なので寂しいけれどお話が終わっても2人の人生この先もたくさんの幸せで溢れるように願ってます♪幸せのお裾分けありがとうございました！ (2021年3月5日 21時) (レス) id: 8b2b24014b (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！最初の頃から楽しく読ませてもらってました！最近ではこの作品を読むのが1番の楽しみでいつもドキドキしてました今まで読んできた作品の中で断トツで大好きです！ありがとうございました!! (2021年3月5日 19時) (レス) id: 96061f6851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2021年2月24日 9時
