シルエット

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大毅のキス、気持ちええ、もん。

溶かされて、なんも考えられへん、なる。


「とも、気持ちええ？」


「そんなん聞くん嫌」


「ともは、ほんまに可愛いな」


いつも、大毅は苦しそうにそう言う。


男に可愛えなんて、
褒め言葉でもなんでもない思てたのに、

大毅に言われたら、嬉しい。


甘く求めてくれてたのに・・・

俺が、堪えきれずに、
細い声、漏らした途端。


大毅、俺の頬、掌で包んでるだけで、
もうキスしてくれへんなってしもた。


「大毅、もっとしてや」


「もうあかん。
とも、ここ学校やで」


急に突き放すんやで。

ほんまに意地悪や。


「なんで？
さっきまで、大毅がしてもええって言うたくせに」


「ちゃうねん。
違って。
ここベッドやし。
これ以上したら。
その、我慢きかへんなる」


「え・・・」


「ごめんっ。
そんなん言われたら、
きしょいよな」


大毅、めっちゃ焦ってる。


「もしかして、大毅、いつも我慢してた？」


今までも、急にやめてまうことあったから。


意地悪して焦らされてるんかなあって、
思っててん。


「うっ、まあ・・・
まだ、あかんやん。
俺ら、高校生やしな！」


大毅なら、そう言うと思ってた。

どうしよう。


俺、卒業するまで待てるかな。

寂しいな・・・


そんなん、よう言わん。

大毅に期待してるって知られたくない。


嫌われてまうかもやし・・・


「大毅、平気？」


こう聞くんが精一杯。

いつから、俺、こんな純情になってん。


大毅のシャイは、うつるねんて。


「ほんまは、
とも、可愛ええから、きつい」


「嬉し」


「とも、嬉しいん？」


「うん。
大毅のこと好きやから」


ぴたってくっついたら、
大毅の身体が、ぴくって反応した。

ちょっと意地悪な気持ちなってくる。


「あー、もお。
ともは悪い子やな。
卒業までなんて待たれへんかも」


大毅の決意がぐらぐらしてる。

もっと、強く奪ってくれたらええのにな。


一切の不安、なくなるぐらいに・・・

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