シルエット

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シーツをトントンされたから、横たわる。

大毅はベッドの脇にある、
ちっちゃな椅子に腰かけた。


「とも、ごめんな。
俺んせいで」


「なんで大毅のせいなん？
反対やん。
俺んせいで大毅が・・・」


「俺んせいやん。
みんな真琴の味方やし。
とものこと敵視して」


それも、嫌がらせ受けてる理由の一つなんは、
気付いてたけど・・・


「けど俺らが付き合うてるって、
誰も知らんやろ？」


「真琴はなんか疑ってるみたいやねん。
俺、隠し切れてないんかなあ。
嬉しいてさ」


大毅が照れくさそうに笑う。


「俺も、そうかもしれへん・・・」


「ともは、いつもポーカーフェイスやん。
悔しいぐらい」


「大毅、悔しいん？」


「うん。めっちゃ悔しい。
もうちょいデレて甘えてもええねんで」


「それは無理。
・・・恥ずい」


俺、今、真っ赤になってるはずや。


シーツで顔を隠したら、
大毅に、


「隠れたらあかん」


て、拗ねられた。


「けど、大毅に、顔、見られたない」


「俺は見たい。
ともの真っ赤になった顔」


「大毅のあほ。意地悪言うなや」


「意地悪はともやろ。
隠れたらキス出来へんやん」


「・・・なっ、何言うてんの！」


「もっと真っ赤なったな」


からかうように笑って、
俺の鼻の頭、指先でちょんと押す。


ふっと、大毅が綺麗な目を伏せる。


覆い被さってくる、影。


ゆっくり唇が重なった。


胸がじんてなって。

ふわあって、身体が浮く感覚。


嬉しい。


大毅はやっぱり俺のこと好きやって、
感じられる。


ほんまは、もっともっとして欲しいけど・・・


「ん？とも、もっとして欲しいん？」


そんなん聞かれたら、
否定してまうねん。


「そんなわけないやろ！ここ学校！」


「ともは、いつからそんなお利口さんなってんな。
校則違反しまくってるくせに」


「俺、ほんまは真面目やもん」


「ともは、
真面目やったり、不真面目やったり、
つかみどころない」


「そうかな」


「うん。
やから、気になって、仕方なくなる」


言い終わる前に、
次は長いキス、くれた。


ここ保健室やし、
今はサボってるだけで、
球技大会の最中やし、

拒否せなあかんのに、出来へん。

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