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急カーブでも加減せえへん。
「うわっ。ちょ、落ちるやろ!」
「つかまっとき言うたやん!」
「うわっ、まじで落ちるっ」
しゃあなしでカッターシャツの背中につかまる。
なんで俺、初めて会うたヤツの背中にしがみついてんねやろ。
「神ちゃーん!最高やなあ!」
確かに潮風は気持ちええ。
けど、認めたない。
今頃は、流星たちと遊んでるはずやったのに。
みんなどうしてるかな。
俺んことなんか、すぐ忘れてまうよな。
寂しいな・・・
チャリがキィーってブレーキ音とともに止まった。
「はい!到着!」
「ここちゃうけど」
「あっ、ここ、俺んち!
寄ってくやろ?
一緒に数学の宿題しようや!
神ちゃん、教科書持ってへんやんか」
「持ってへんから、
宿題は免除やろ」
「うえー。
神ちゃん、悪いヤツやねんな」
「悪いヤツでええわ。
俺んち、こっから、どう行ったら着くん?」
目の前言うたけど、
重岡んちの前、家なんか、ないやん。
「こっから海に向かって、
10分くらい歩いたら着くけど。
俺んちの隣やから」
昨日引越して来た時は、
夜であんまし周り見えへんかってんけどさ。
隣の家が10分先?
宝塚のマンション暮らしやった俺には、
カルチャーショック過ぎて、
頭、クラクラしてきた。
「じゃあ、ありがとうな。助かった。
帰るわ」
「待ってや!」
重岡に背を向けたら、
ガシッと腕掴まれる。
めっちゃバカ力。
「なんなん?」
「明日から期末テストやで!
一緒に勉強しよ」
「なるようになるやろ」
「ならんって!
はよ俺の部屋行こ」
強引に腕引っ張られて、連行される。
なんなん、こいつ。
重岡の部屋は、
どでかい庭にある、離れの建物。
「お前んち、どんだけ広いねん・・・」
「そうかなあ。
みんな、こんなもんやで」
「ふーん・・・」
田舎のヤツらって、
みんなこんなどでかい家住んでんねや。
6畳ぐらいの寝室なってる板張りの部屋と、
同じく、そんぐらいの広さの和室。
和室には、
夏やってのに、こたつがあってさ。
その上に日用品と教科書が乱雑に置かれてる。
ちっこいキッチンまでついてるねん。
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未来(プロフ) - やばい。好きすぎる。続きも楽しませてもらいます♪ (2021年1月28日 21時) (レス) id: 109c85bf37 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - かみちゃん、しげにハマるの早すぎて尊いです笑 (2021年1月25日 20時) (レス) id: 109c85bf37 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 前コメントさせて頂いたものです。緑赤と思ってすみません…このお話めっちゃ面白いです!!これからの更新も楽しみです! (2021年1月22日 22時) (レス) id: a46d4b8797 (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!赤緑大好きで、毎回キュンキュンしておりますっ!!作者様の作品の大ファンなので! (2021年1月22日 8時) (レス) id: 4e1b2b15c7 (このIDを非表示/違反報告)
noa(プロフ) - またコメント失礼します!なんか、キャラが本人達に似てるけど、でも違うところもあって…って感じでめちゃくちゃ入りやすくて読みやすいです!恋のABOも何回も読み直させて頂いてるんですけど、これもリピート間違いなしです!なんか上から目線っぽくてすいません… (2021年1月21日 22時) (レス) id: f84d2fbefe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fool | 作成日時:2021年1月17日 21時