【小説版】悲劇のブラックスワン (ページ3)

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午前零時になる前ページ3

＿一週間前の午後零時のあるカフェ

「お客様、また少しお隣よろしいですか?」

そう客にいつも通り話しかける者がいた。カフェのオーナー、天川隼人｡だが、裏では暗殺者の、隼である。

その、隼は、声をかけた客の隣に座った｡

「少し、お話しましょうか。」

と、言いながら。

すると、隼が客に聞いた。

「お客様は、ホットコーヒーをよく飲んでいらっしゃいますが、冷たい物は苦手ですか?」

客は、はい｡と答えた｡

そうですか｡と、少し嬉しそうに隼は言った。

多分、新たな情報がわかったからであろう。

その日の30分後、客は帰っていった｡

＿その日の夜

隼は、家に帰って来た。そして、声が返ってくるはずもない家に

「ただいま｡」

と、声をかけた。

だか、実は、昏睡状態の家族が眠っている。それと、もう一人｡

「あの子の様子はどうかな｡もうそろそろいいと思うけど。」

と、言いながらある部屋の戸を開けた。

そこには、椅子に座りながら凍った女の姿があった｡

そう。これが隼の暗殺法｡

とにかく凍らせる｡凍るまで寒い部屋に閉じ込めるのだ｡

「よし。暗殺成功｡報告しなきゃ｡...あ、次のターゲットも。...」

と、ぶつぶつ独り言を言いながら、組織に報告した。

＿翌日

「皆さん！今日もよろしくね～！」

そう従業員に言いながら、いつもの仕事を開始した。

その一時間後、その日も昨日の客が来た。

「あ、お客様｡今日もご来店ありがとうございます｡」

そう言いながら、ホットコーヒーを持って来た。

コーヒーを置くと、隼は、言った｡

「あ、そういえばお客様！今度遊園地に行きませんか?ちょうどチケットが二枚あったので｡」

客は喜んだ｡実は、その客は遊園地が大好きで、その事を隼に話していたのだ。

もちろん、客は行きたい｡と言った｡

「じゃあ、一緒に行きましょうか。○月○日○曜日の、夜9時はどうでしょう。夜の遊園地も良いと思いますから｡」

客は、いいですよ！嬉しいです！と言った｡多分、予定も何もないのだろう｡

でも、その日は、あの暗殺組織が動く四時間前の時間だった｡

多分、あの客も鐘がなった瞬間、巻き込まれただろう。