検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:121,158 hit

20 ページ20

荒北さんにプールサイドに座らせてもらっていると、福富さんと東堂さんが戻ってきた。

後ろにはさっきの水泳部の女の子が2人、俯きながらこちらに歩いてくる。


新開さんが私を挟むように両手をプールの縁に置いて、守るようにその女の子たちをじっと傍観していると、2人はガバリと私の見える位置で頭を下げた。




「突き飛ばしてごめんなさいっっ!」

「私たち、東堂さんに馴れ馴れしくしているあなたを見て、少しだけ意地悪しようと・・・」

「え・・・と。いじわる・・・ですか・・・?」




私が不思議そうに見上げると、女の子たちは顔を赤らめて説明してくれた。


この女の子たちは東堂さんのファンだそうで、東堂さんが私に優しく触れているのを見て面白くなかったみたい。

それで、少し驚かせるくらいはと思ってプールに突き落としたらしい。


だけど、私が足が着かないどころか、泳げないのだと知って慌てたという。

小さな私がプールに落ちるだけで、少しくらいは怖い思いするかなくらいの意地悪だったけど、私の溺れた姿を見て、なんてことをしてしまったんだろうと思ったらしい。


東堂さんと福富さんにも、足のつかない小さな私が水の中に落とされれば命の危険だってあるのだと怒られて本当にその通りだと反省したと言われた。

チラリと女の子たちを見ると、本当に反省しているみたいで、その目は涙が浮かんでいる。




「私、無事です」

「え・・・?」




2人は私の言葉にパッと顔を上げる。




「私、無事でした。それに、ごめんなさいとありがとう、言える人はいい人だと、思うです。だから、気にしていません」

「・・・・っ。ありがとう・・・・っ」

「本当にごめんなさい・・・・っ」




そう言って2人は水泳部のレーンに戻って行ったけど、東堂さんは何故かプールサイドでガクリと両手と両膝をついて項垂れている。




「甘いぞ・・・。姫や、チョコレートパフェにハチミツをヒタヒタに流し込むくらいに甘い・・・」

「え・・・。む、虫歯に気をつけてくださいね・・・?」




そう言うと福富さんから『そうじゃないだろう』というツッコミが入った。

21→←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
135人がお気に入り
設定タグ:弱虫ペダル , 愛され , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想ありがとうございます^^癒しになっているとお聞き出来て本当に嬉しいです♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 20時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 皆さんイケメンですね!ここに来るととても癒されます。姫ちゃん可愛すぎる!! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - %さん» 嬉しい感想ありがとうございます^^気持ちを打ち明ける時期、どうしましょうね(汗)誰か1人が個別で飛び出しちゃわないように調整しながら悩みたいと思います★今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
- んんんんんっ!手嶋先輩も青八木先輩もイケメンですね!さて、いつ姫ちゃんに自分の心を打ち明けるのでしょう…?(ニコニコ) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - かあさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^チーム2人はこんなところでもバッチリいいお仕事してくれますね(笑)今後も頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月4日 12時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年8月15日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。