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東堂さんは私の腰に手を回すと驚いたように目を見張った。
「分かっているつもりではいたのだが、姫は思っていた以上に華奢なのだな・・・。力を込めれば折れてしまいそうではないか・・・」
「そ、そうですか・・・?あ、えっと、あの。お聞きしてもいいでしょうか・・・?」
「俺にかね?何だね?」
東堂さんは腰を支えてくれながら微笑んでくれて、私はホッと息を吐き出して深呼吸すると、気になっていたことを質問してみることにした。
「あの、ですね。東堂さんは、巻島先輩と仲良しさん、ですよね・・・」
「うん?ああ、巻ちゃんとは姫の言うところの仲良しさんかもしれぬな!それがどうかしたのか?」
「は、はい。あの、仲良しさんの巻島先輩と、東堂さんはレースで戦ったことがあります・・・よね」
「ああ、その通りだ!それ以外で会ったのはこの間の合宿が初めてだな!逆に言えばレースでしか会うことは無かったぞ」
「え・・・っ?そ、それはびっくりです・・・」
私の反応に東堂さんは、逆に驚いた表情で『それ以外でどこで会うというのだ?』と不思議そうに首を傾げている。
確かにロードレースの大会くらいでしか他校の、しかも他県の選手と会うことは難しいかもしれない。
「えと・・・。わ、たし。インターハイに応援に行きたいと思ってるのですけど・・・。もちろん総北を応援したいです、けど・・・」
「ふむ。けど?」
「・・・・。けど・・・。箱学のみなさんのことも応援したいくらい大好きなのです・・・」
「「「・・・・・・」」」
私の言葉にペダルを回していたみんなも静かになってしまった。
けど、私は東堂さんに聞いてみたかったんだ。
「東堂さんは、仲良しさんと戦わなければいけない時、どう気持ちを切り替えているのでしょう・・・?どんな気持ちで戦っているのですか・・・?辛く、ないですか・・・?」
東堂さんの顔が見れなくて、近くにある東堂さんの腰に回った手に視線を落とす。
シンとした空気に、もしかして聞かれたくないことだったのかもしれないと思った。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 素敵な感想ありがとうございます^^癒しになっているとお聞き出来て本当に嬉しいです♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月29日 20時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 皆さんイケメンですね!ここに来るととても癒されます。姫ちゃん可愛すぎる!! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - %さん» 嬉しい感想ありがとうございます^^気持ちを打ち明ける時期、どうしましょうね(汗)誰か1人が個別で飛び出しちゃわないように調整しながら悩みたいと思います★今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
% - んんんんんっ!手嶋先輩も青八木先輩もイケメンですね!さて、いつ姫ちゃんに自分の心を打ち明けるのでしょう…?(ニコニコ) (2019年10月6日 10時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - かあさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^チーム2人はこんなところでもバッチリいいお仕事してくれますね(笑)今後も頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月4日 12時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年8月15日 18時