弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第７期】

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ガクブルして監督さんを見上げていると、それに気づいた監督さんはニコリと微笑んで私の手を服から優しく外して引いてくれる。

そして、隣りにいる福富さんの服の裾を握らせてくれた。


福富さんは心なしか緊張した顔をしているけど、手を外したりはされずホッとしてしまった。

その状態で隣りにいる監督さんを見上げると、また頭を撫でられる。



「それじゃあ、私は職員会議があるから行くけど、少しずつでいいから頑張りなさい」

「は、はい･･･。あの、ありがとう、ございました･･･」



お礼を言うと、頭に乗っていた手がポンポンと優しく頭を撫でてくれて、そのまま監督さんは出て行ってしまった。


名残惜しい気持ちで閉まってしまった扉を見つめていると、突然大きな足音が近づいてきた。

そして突然私の体が反転して足が地面から離れて、それと同時に握っていた命綱の福富さんの服から手が離れてしまってきゅっと目を閉じる。



「きゃ･･･っ！？」

「すまねぇ。福ちゃんっ。ちょっとコイツ借りる！！」

「お、おい･･･っ？」



ガラリと扉の開く音がして、私は揺れる感覚に目が開けられなかったけど、ふわりと包まれた爽やかな香りは知っている香りだった。

これは･･･お姫様だっこだ･･･。

恐る恐る目を開けると、すぐ上には荒北さんの顔があった。



「あ、らきた、さん･･･？」

「･････」

「あの、ど、どこへ･･･」

「･････」



無言で前を向いたまま歩き続けている荒北さんに困惑しながらも、ある事に気づいてしまった。

運ばれ方に問題がありすぎる･･･。


子供だっこなら良かったけど、今の体勢はお姫様だっこ。

それって････私、制服だから今現在進行形でパンツが丸見えになってるのではないのだろうか･･･？



「あああああ荒北さん･･･っ」

「･････」

「わ、私っ。パンツ見えてますうぅぅぅぅぅっ」

「んな････っ！？ばっ、馬鹿か！！それを先に言えっつーのっ！！」

「ふぇ･･･っ。ご、ごめんなさいぃ･･･っ」



やっと返ってきたお返事が馬鹿って･･･っ。

うぅぅ･･････泣きそうだよ････。

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