弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第７期】

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私のやる気を感じ取ったのか、金城先輩は今日のレースについて説明してくれた。

今日のコースは5キロのコースを10回まわる50キロの周回レースだそう。


レースは始まってみないと分からないけれど、私へのオーダーは７周目までは巻島先輩の後ろに着いて体力を温存していい位置をキープするだけでいいと言っていた。

８周目に入ってすぐ私は先輩たちの１番後ろに下がって力を微発動すればいいって。


それなら私のすることはただ１つだと思う。


８周目まで、私は先輩たちから千切れないように、ひたすら回して着いていくこと。

それさえ出来れば、私は先輩からのオーダーをちゃんと遂行することが出来るんだ。

スタート地点ではやっぱり総北は前列スタートでドキドキする。



「何あのちっちゃい外人。可愛い〜」

「え？でも総北って常勝校だよな」

「県予選にあんなチビちゃん入れるなんて余裕見せすぎだろ」

「それに強いっつってもあの女の子以外３年だし、下が育ってねぇならインターハイ行っても勝てねぇんじゃねぇ？」



いろんな声が聞こえてきて、冷や汗が流れる。

私がいるせいで余計に総北高校が、自転車競技部のことが悪く思われていくのが苦しい。


両隣りの金城先輩と巻島先輩は私の頭と背中を撫でてくれて、大丈夫だと頷いてくれるけど･･･私は･･･。


駄目･･･頑張るってさっき決めたんだから、この総北のジャージと先輩たちを誇るんだ。
先輩たちは強い。

だから、私が弱くたってきっと勝ってくれる。

もし足を引っ張ってしまうことになったその時は、私は切り捨ててもらえばいい。



「先輩･･･。私、精一杯頑張りますから･･･。それでも駄目な時は、切り捨てて、置いていってください」

「ああ。精一杯頑張るっショ。最後までな」

「そうだなぁ。はっはっは。ま、俺に任せとけぇ！」

「そうだな。みんなでゴールだ」

「ふぇ･･･？ぇ？せ、先輩･･･？」



先輩たちには切り捨てて置いていってほしいという言葉は聞こえていなかったのかな･･･？

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