検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:40,432 hit

11 ページ11

ワンワン泣き出してしまった私の体を力強く抱きしめてくれている金城先輩は、何も言わずに私が泣き止むまで背中を擦ってくれていた。



やっと落ち着いた頃、先輩は足の間に私を抱きこんでくれながら片手で携帯電話を取り出すとどこかに電話をかけ始めた。

それに気づかなかった私は突然先輩が『もしもし』と言ったことでビクリと肩が跳ねてしまう。



あやすように背中をトントンと優しく叩いてくれながら、金城先輩は口を開いた。




「・・・ああ。聞いた。それで?どうするつもりだ?・・・そうか。ああ。ああ、少し待ってくれ。・・・姫」

「・・・・?」




涙目で金城先輩を見上げると、先輩は目を細めて微笑みながら携帯電話を私に差し出した。

何だろう?とその手を見詰めていると、『ほら』と携帯を軽く揺らす。

戸惑いながらも受け取ってから先輩を見上げて首を傾げると、先輩は話してみろと言ってくれた。



よく分からず、電話の向こうの相手も分からないけれど、携帯電話を耳に当てて小さく『もしもし・・・』と問いかける。

すると、今1番聞きたかった声が聞こえてきた。




『泣き虫姫。・・・また泣いてたっショ』

「・・・っ!ま、きしま、先輩・・・・?」




目を見開いて固まってしまった私に、金城先輩はクスリと笑って背中を撫でてくれていて、その優しい揺れにハッと我に返った。




「ど、どこに・・・、どうして・・・。な、何を・・・っ」

『クッハっ。落ち着けっショ。姫、悪い。俺は明日のレースには出ない』

「・・・・っ。そ、んな・・・。わ、わた・・・私・・・。だって・・・」




巻島先輩の言葉に私はパニックになりながらも、巻島先輩が私としてくれた『げんまん』を破ったのだと思ってジワリと涙が溢れた。

だけど、巻島先輩は落ち着いた声音で続きを話した。

12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (799 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
254人がお気に入り
設定タグ:弱虫ペダル , 愛され , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

よもぎ杏(プロフ) - うわぁぁぁぁあああああなんで今こんな神小説に出会ってしまったんだろう、、夢主可愛い。更新停止してる......復帰して欲しい。気長に待ってます。 (2022年10月16日 19時) (レス) id: 3c2e0a45eb (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 色々言いたい事(感想)はあるんですけど、とりあえず、皆尊い!!好きです。(唐突) 更新、待ってます! (2022年9月15日 2時) (レス) @page24 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
恭也 - 更新頑張ってください!!青八木さんと手嶋さんが3年になって、インターハイに出場するところ。早く読みたいです!更新、待ってます。 (2021年8月10日 21時) (レス) id: d15eb96a1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ゆゆさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^そう言っていただけてとても励みになります♪頑張って更新続けますので今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2021年1月26日 20時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 最近読み始めてハマりました!これからも頑張ってください! (2021年1月26日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年8月14日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。