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「ぽんぽこりん・・・。ごちそうしゃま、でしゅ」
「え・・・。るう様。先程食べ始めたばかりではありませんか。やっぱりどこかお体の具合が悪いのではありませんか?リク、カイ、わたくし医師を呼んで参りますからくれぐれもるう様のこと、よろしくお願いしますね?」
「ええ。分かりました。確かにあまりにも少食過ぎます。1度診てもらったほうがよろしいでしょう」
「ああ。そうだな。このままでは栄養失調になってしまうだろう。るう、部屋まで送っていこう」
るうが『あ・・・?え・・・?』と周りの状況にあわあわしていると、あれよあれよという間に、リクに持ち上げられ、片腕にのせられ子供抱きにされた状態になります。
るうは前世では、死ぬかもしれないと思うくらいの時くらいしか病院に行かないほどの医者嫌い、注射嫌い、お薬嫌い、病院大嫌いなのです。
あっという間に部屋に連れ戻されたるうは、寝起き1時間ほどだというのにベッドに寝かされてしまいました。
「りきゅ。るう、どこもわりゅくにゃい、でしゅ」
「本人がそう思っているだけかもしれないぞ」
「で、でも、ほんとに、げんき、でしゅ」
「いや、1度は診断してもらった方がいい」
「で、でも・・・」
こんな言葉のやりとりが20分ほど続いた頃、るうの部屋の扉からコンコンというノック音が聞こえてきました。
ビクリと体を震わせたるうは、ガバリと頭までシーツを被って隠れます。
お医者さん本当に無理だってばぁぁ・・・っっ。
リクは浅くため息を吐くと、シーツの上からるうの頭をぽんぽんと撫でてから扉に向かい、静かにドアノブを回して扉を開けるとナミが入ってきてリクに問いかけました。
「リク。るう様はいかがですか?」
「ああ。どこも悪くないの一点張りだが・・・。念のため診てもらった方がいいだろうな。アル。るうをよろしく頼む」
「はい。分かりました。でもリクくん?ルナーが生まれたこと、報告しなかった理由は後でちゃんと説明してもらいますからね?」
「・・・ちっ。分かったよ。」
聞き覚えのない声にぴくりとシーツの山が跳ねると、そぉーっと頭だけ出してリクたちの方を窺ったるうでしたが、アルと呼ばれたお医者さんと目が合いました。
るうは慌ててまたガバリとシーツを被ってしまいました。
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ダリア - やはり貴方様の書く作品は迚素晴らしい物ですね!るうちゃん物凄く好きです!可愛い!登場人物は全員好きになってしまいました!! (2022年9月15日 3時) (レス) @page50 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» 読んでくださっていたのですね。ありがとうございます!今は繁忙期で少し忙しくて更新が遅いですが今後もよろしくお願いします^^ (2021年3月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - 瑠璃色の夢さん» なるほど!!私少し前に読んでました!リメイク版が見れるなんてうれしいです! (2021年3月16日 21時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» コメントありがとうございます。こちらは以前別サイトで投稿していた小説のリメイク版になります^^現在は瑠璃色の夢という名でしていますが以前は瑠璃夢という名で投稿しておりました。 (2021年3月16日 15時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - この小説他のサイトにも投稿してらっしゃったりしますか? (2021年3月16日 14時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年1月29日 16時