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「あの子供たちは純粋にるう様ともっと親しくなりたいと考えているようでした。るう様もそうお考えのご様子でしたので私は副団長と1番隊の隊長に指示を仰ぐ事にしたのです」
「そうかそうか。ははは。お前もるう様にぞっこんだな」
「なっっ!?何を仰るんですっ!寝言は寝てから仰ってください!」
「あ〜はいはい。俺が悪かったよっと。ここだな」
バルとログは裏通りにある古ぼけたレンガ造りの家の前で立ち止まります。
ひび割れたガラス戸に映った2つの影が消えて扉が勢いよく開き、大きく尻尾を振った狼族の双子の子供たちが飛び出してきました。
「待ってたよ!るうのお父さんっ」
「るうのお父さんっ!待ってた!夜ごはんのお返事はっ?」
「・・・いえ、私はるう様の父親では・・・・」
「ぶっ、ククク。お、お父さん・・・。バルが、るう様の・・・・。・・・ぶはっ」
バルがるうの父親だと勘違いしていたレンとランは、一歩後ろで控えている大きな男が肩を震わせて笑いを堪えていることに首をコテンと傾げて、バルに視線を戻すと『え?違うの?』と言いました。
そんな雰囲気の中、大通りを曲がって買い物籠を腕に引っ掛けた女性が裏通りに入ってきたのをレンが見つけると、大きく手をパタパタと振ります。
「あっ。お母さーーんっ!お客さん、来たよー!」
「おかえりなさいっ。お出かけ前に話したお返事しにきたんだよーっ!」
どうやら女性はレンとランの母親のようで、双子にふわりと柔らかく微笑んでからバルとログに視線を向けて、その姿にギョっとしたように驚き早足でこちらへ歩いてきました。
「も、もしや、あなた様方は騎士様ですか?」
「ああ。俺たちはルナー様一行の護衛騎士だ。ふれは出ていたと思うが。これが騎士証だ」
「初めまして。本日はルナー様であるるう様と、こちらのお子達が共に夕食を召し上がるということで招待に参りました」
双子の母親は、幾分が大きな耳をペタリと伏せて驚きに目を見開いて『お生まれに、ルナー様が・・・』と感激したように呟くと、レンとランに視線を落として、もう一度バルとログを交互に見つめてから、ガバリと腰を折ります。
それに驚いたのはレンとランだけではなく、ログとバルも困惑しました。
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ダリア - バルさん!素敵です!!ログさんもっと絡みが見たいです!ルイくん可愛い!!良いぞ、もっと、るうちゃんを愛して!!! (2022年9月15日 7時) (レス) @page49 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*´-`) (2021年6月9日 0時) (レス) id: a790115b23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - kuroさん» いつも嬉しいお言葉をありがとうございます^^何度も読んでくださっていると聞いてとても励みになりました。愛おしいだなんて・・・(嬉泣)今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年9月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも癒されてます!最後まで読んだ後に最初から読み直してますが読む度愛おしさが増すばかりです!これからも頑張ってください^^ (2020年9月16日 15時) (レス) id: 922f0caa1e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 月さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^リメイク前を読んでくださっていたのですね(嬉)あの時の瑠璃夢が現在の瑠璃色の夢でございます。改めて今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年8月22日 2時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年6月12日 4時