検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:40,893 hit

恋柱の入隊理由 ページ27

食事を終えた四人は廊下を歩いていた。
玄弥への差し入れであるおにぎりを運んでいた炭治郎が口を開く。

「甘露寺さんはなぜ鬼殺隊に入ったんですか?」
彼が話しかけたのは、恋柱である甘露寺蜜璃だった。
その問いを投げかけられた甘露寺は、恥ずかしいなぁと頬を赤く染めている。
―――あぁ、その質問、私もしたなぁ…
氷柱の水守Aは、少しだけ昔のことを思い出して微笑んだ。
甘露寺は恥ずかしそうに頬を染めながら、Aの記憶通りの言葉を口にする。

「添い遂げる殿方を見つけるためなの!!」

―――大丈夫だ炭治郎。これを聞いた者はみんな同じ気持ちになっている。
自分に言い聞かせるように、炭治郎は心の中で呟いた。
鬼殺の道に進む人は、肉親を鬼に殺されたりとそう言った理由がほとんどだ。

それがまさか、自分よりも強い人を見つけて添い遂げるためとは…
柱って、すごいなぁとぼんやりと思う。

「Aちゃんも、そう思うわよね!?」
「えっ」
「ほら、冨岡さんも強いし、かっこいいものね!!」

冨岡さん、という言葉を甘露寺が口にした瞬間、炭治郎は隣の少女の変化を感じ取っていた。
右隣のAは一瞬驚きの表情を浮かべた後、顔を甘露寺と同じ赤色に染める。

「あぁ、やっぱり…」

彼女が冨岡の事を好いているのは、少し前に知った事だった。
事の発端は善逸である。
「Aちゃんてさ、冨岡さんの事大好きだよね。」
善逸曰く、彼女が冨岡の話をする時に聞こえる音は相手を好いている音だという。

―――そうか、あの匂いは好意の匂いだったのか。
彼は一度冨岡とAが一緒にいる場面を目にしたことがある。
あれは、那田蜘蛛山の戦いが終わった後だっただろうか。
その時のAは、砂糖菓子のような甘い匂いになっていた。
そのことを善逸に話すと、やっぱりねぇと眉間に皺を寄せながら
「絶対両想いじゃんあの二人。あぁ羨ましい。」
そう言ってため息をついたのだ。

どうしてわかるのか、と善逸に問うと
「だって冨岡さん、Aちゃんといる時心音早いもん」
Aちゃんも分かってると思うけどなぁと、遠い目をして呟いたのだった。



「甘露寺様」

甘露寺に声をかけたのは一人の隠だった。
刀が研ぎ終わるため、甘露寺は工房へ行かなければならないらしい。

「今度また生きて会えるかわからないけど、頑張りましょうね。」

甘露寺蜜璃は竈門兄妹とAちゃんを応援してるよー!と最後に笑顔を浮かべて、甘露寺はその場を後にした。

探索→←束の間の休息



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
152人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kanna | 作成日時:2019年10月22日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。