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妓夫太郎 ページ32

「まぁだギャアギャア言ってんのか。お前に用はねぇよ地味に死にな。」

「ふざけんじゃないよ、大体私が上弦じゃないって言ったわね、私は上弦の陸よ!!」

「じゃぁなんで頸斬られてんだよ。弱すぎだろ。脳味噌爆発してんのか。」

「あたしまだ負けてないからね!!」

「負けてるだろ、一目瞭然に。」

「あたし本当に強いのよ!!今はまだ陸だけどこれからもっと強くなって…」

「説得力ねーー」

口喧嘩だった。幼子の口喧嘩のようなやり取りで堕姫は完敗していた。

わああああああああああん、と大声を上げて、堕姫は泣き出した。

「ほんとにアタシは上弦の陸だもん。数字だってもらったんだから。あたし凄いんだから!」

そう言いながら目から大粒の涙を流す。

ギャン泣きかよ、と思うと同時、宇髄に違和感が生じた。

それよりこいつ、いつまで喋ってるんだ?
首を斬ったのに体が崩れない。

そんな宇髄の様子には気づかないまま、堕姫は癇癪を起こす。

「頸斬られたぁ、頸斬られちゃったああ」

お兄ちゃん、と堕姫は口にした。

その時、「うううぅん」と声を上げながら、堕姫の背中から出てくるもう一人の鬼が見えた。


強い、と直感した。
宇髄は背中の鬼に向けてすぐさま刃を振るう。

しかし、宇髄の刀は宙を斬っていた。

鬼の姿は、ない。


「泣いてたってしょうがねぇからなぁ。頸くらい自分でくっつけろよなぁ、お前は本当に頭が足りねぇなぁ」

堕姫の背中から出てきた鬼は優しい声で堕姫に話しかけ、頭を撫でていた。

頸を斬り落としたのに死なない。
背中から出てきたもう一体は何だ?反射速度が堕姫とは比べ物にならないほど速い。

もう一度、刃を振るう。

すると背中から出てきたもう一人の男の鬼は敵意に満ちた目でこちらを見つめて、

宇髄の体にはいくつか切り傷が出来ていた。

「へぇ、やるなぁ。攻撃止めたなぁ。殺す気で斬ったけどなあ、いいなぁお前いいなぁ」

バラ、と髪飾りが壊れる。

男の両手には鎌が握られていた。


男の鬼の名は妓夫太郎。

取り立て屋の役職を表す言葉。
彼は鬼になった今も人間の頃と同じ、その名を名乗っている。

才能→←届かない声



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます!応援してます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね!! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました!言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました!言葉おかしかったらすみません…!続き、楽しみにしています!(*´`*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kanna | 作成日時:2019年10月12日 10時

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