蜜璃さんとお食事 ページ4
「あっ、やっと見つけたわAちゃん!!」
明るい声に振り向くと、笑顔で手を振り走ってくる甘露寺さんがいた。
「こんにちは、甘露寺さん。」と笑顔で挨拶すると、甘露寺さんは蜜璃でいいわよー、とこれまた明るい声で言った。
そして、あのね、と胸の前で両手を握りながら甘露寺さんは
「Aちゃんと、ずっと仲良くなりたいなって思ってたの!」と言った。
私がぽかん、としているとあっ、いきなりこんなこと言われても困るわよね、と悲しそうな音がしたので、
「私も、蜜璃さんと、仲良くなりたいです」
と言った。すると、悲しそうにした顔が見る見るうちに明るくなる。
「本当!?嬉しいわ!鬼殺隊には女の子が少ないし、柱になるとなかなか会えなくって、
だから、Aちゃんが仲良くなりたいって言ってくれて、とても嬉しいわ。」
そう微笑む蜜璃さんからは、嬉しそうな音がしていた。
蜜璃さんを見ていると、不思議と明るい気持ちになる。
「それじゃあ、あの、一緒にご飯とかどうかしら?」
蜜璃さんは、笑顔でそう言った。
「蜜璃さんは、どうして鬼殺隊に入ったんですか?」
話題が思いつかなくて、こんなことを聞いてしまう。
嫌な気持ちにさせていないかな、と蜜璃さんを見ると、美味しそうにご飯を頬張っていた。
蜜璃さんは、本当によく食べる。
食べ終わって空になったお皿は蜜璃さんの前で山盛りになって、お店の人がひいひい言いながら片付けてご飯を運んでいた。
蜜璃さんが鬼殺隊を始めた理由は、添い遂げる殿方を見つけるためらしい。
殿方。その発想はなかった。
素直に面食らっていると、「やっぱり、おかしいと思うわよね」と、悲しい音をした声が蜜璃さんから聞こえた。
えっと、と言葉を探す。悲しそうな音が、大きくなる。
「私、蜜璃さんといると楽しいです」と、頓珍漢なことを私の口は喋っていた。
「いっぱい食べてるときにものすごく幸せそうな音がするのも、いつも明るいところとか、すごく、女の子らしくてかわいいというか、えっと、」
変なことを言っている自覚はあったが焦った頭はさらに口を動かす。
「殿方、私も見つけたいです。鬼殺隊にいる強い男の人はかっこいいと思います!」
それを聞いた蜜璃さんはまたぱあっと嬉しそうな音になりながら、そうよねそうよね!と楽しそうに話し出した。
それからは柱の方の話をたくさん聞いた。
話をしながらご飯を食べる蜜璃さんからは、幸せそうな音がたくさんした。
18人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kanna | 作成日時:2019年10月9日 12時