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【高杉side】







『………、………』





高杉「………」







微かに聞こえてくる、辛そうな寝息




Aが目を瞑ってから数分もすれば、

そんな寝息が聞こえてきた





俺の部屋に、俺と此奴だけしかいない今

……警戒心ってのが無ェのか、此奴は



まぁ熱で辛ェってのはあるだろうが




かたん、と煙管を置く音が小さく響いた

病人の前で吸う気にもなれねェ







高杉「……おい、A」





『……』








ゆっくりとAに近付き、声を掛ける

当然だが返事は返って来ない




寝返りを打ったそいつは、

毛布が捲れ、首元がほんの少し顕になっていた







高杉「!」







そこには、

最後に此奴と会った時には無かった大きな斬り傷が




……これ程の傷跡が残る、ってのは

そんだけ激しい闘いでもしたのか




だが、此奴の場合、

結構な手練相手じゃねェとこんな傷付けられねェだろ







高杉「…………自分でつけたのか、てめェ」









━━━━━━━━━『弱ったな』







さっき微かに聞こえた此奴の言葉









息の荒いA




熱で魘されてるってのは頭で分かってんのに


この首の傷を見た途端、

其奴に苦しめられてんのかと思ってしまう





自然と伸びた手が、そっと傷跡をなぞる







高杉「……生きてんな」







無意味な言葉が口から零れた


とく、とく、と規則正しい音が指先へ伝わってくる





此奴が首をここまで斬って死んでねェってのは、

此奴が言うように普通の人間じゃねェからだろう





……だが、

結局一番知りたかったモンは掻き消された



邪魔が入ったってのもあるが、

あの時の此奴の表情




普段は読めねェ胡散臭ェ顔で笑ってるくせに、

あの時だけは迷子の子供みてぇな顔をした







『…………、』






高杉「!」







『……ぃ、……せい』









今にも泣きそうなAの声


反射的に傷をなぞっていた手が引っ込む



だが、一瞬苦しそうに歪んでいたAの表情は

すぐに元に戻った







高杉「…………先生、か」







恐らく今此奴が呟いた言葉は其れだろう



……此奴を帰すまでの時間はたっぷりある、








高杉「ちったァ聞かせろよ、A」









お前ェの知る先生の事、


そして俺の言葉に対する応えを、な

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岬影 - 明けましておめでとう御座います。。これからも頑張ってください。 (2023年1月1日 8時) (レス) @page28 id: c8b8308491 (このIDを非表示/違反報告)
か。(プロフ) - 村瀬さん» ありがとうございます〜!ゆっくり更新していきますので気長にお付き合いください〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 15a41b8b93 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬 - バラガキ篇…!更新頑張ってくださいね🤲 (2022年11月13日 12時) (レス) id: 518be6f384 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:か。 | 作成日時:2022年11月12日 23時

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