情報屋。-仇 [番外編]-【劇場版銀魂完結編】

407 ・ ページ37

【銀時side】






より一層激しくなる攻撃






銀時｢ッ！！｣







腹に重い蹴りを一発喰らう



思わず柱に手を着くが、

すぐ様厭魅へ向き直り口に溜まった血を吐き出した







銀時｢ッああぁ！！｣






飛び掛るも、全て躱されてしまう

そのくせ俺は此奴の攻撃を避けきれない








銀時｢(此奴、俺の動きを見切ってやがる……！


だったら……ッ！)｣








近くに転がっていた石を蹴り上げ、

厭魅が一瞬怯んだ隙にその懐へ




柱越しに武器を突き合えば、

柱が耐えきれず崩れ、土埃が酷く舞う







厭魅｢！｣






銀時｢あああああッッ！！｣








土埃に紛れ、刀を大きく振り上げた


木刀の切っ先が厭魅の頬の包帯を掠る





煽り気味に口角をあげれば、

すかさず頬へ錫杖が叩き込まれた




反撃する間もなく続く攻撃








腹に一撃喰らい、

身体が吹き飛んだと思えば鉄棒にぶち当たる




肩で息をしていると、

髪を掴みあげられ、近くの柱に叩きつけられた


そうしてふらついた瞬間、

また腹を蹴られ階段を転げ落ちていく






意識が飛びそうだ








銀時｢……、…………ッ｣








霞む視界の中、


厭魅が錫杖を腹目掛けて振り上げるのが見えた











肉を突き破る、生々しい音が響く



















銀時｢………｣






厭魅｢…………見事だ、白夜叉｣








俺の木刀が腹に突き刺さったまま、そう呟く厭魅


握られていた錫杖がその手から滑り落ちる








銀時｢てめぇにゃ、死んだフリ位しねぇとな｣







ふらふらと後ずさっていた厭魅は

俺が転がり落ちた階段に腰掛けた







厭魅｢……長かった


ようやくこれで終われる、礼を言うぜ｣






銀時｢………｣







銀時｢俺はお前が来るのをずっと待っていたのさ


世界が崩れていく音を聞きながら、ずっと｣








しゅるしゅると解かれていく、厭魅の包帯


そうして顕になったのは、








｢俺を殺れるのは

………俺しかいねェだろ｣






銀時｢お、前………｣









真っ白な髪をした、俺










｢見た通りだ

俺は5年後のお前だよ｣

408 ・→←406 ・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す