情報屋。-仇 [番外編]-【劇場版銀魂完結編】

396 変化 ページ26

【Noside】








一方、料亭から離れた大江戸病院では






九兵｢妙ちゃんも、……すごく綺麗だよ


何も変わらない｣






お妙｢ホント？

私もう目もよく見えなくて……



髪も新ちゃんに髪をといてもらってるんだけど、

ちゃんとしてる？｣






九兵｢あぁ、何にも変わらない

妙ちゃんは、昔のまんまだよ｣







白詛によって色素が抜け落ち、

まるで雪のような髪を病床に広げ横たわるお妙と、


その姿を見、声を震わせながら微笑む九兵衛





お妙の病室には

九兵衛、月詠、猿飛の三人が見舞いに訪れていた








九兵｢綺麗で、凛としてて、芯があって……｣






猿飛｢あと、あの、あれ、


凛としてて……｣






月詠｢おい、それ一回言ったぞ｣






猿飛｢あと、綺麗で……｣






月詠｢それも言いんした｣






猿飛｢あの、あれ……

ガサツで腹黒そうで、｢……｣ッグエッッ！？


何すんのよツッキーー！！

私は心の底から思った事を！！｣






月詠｢心から思うな！！空気を読まんか！！


例え本当のことでも！！｣






猿飛｢いや、あんたの方が1番酷い事言ってるけど｣










お妙｢……ふふ、｣






｢｢｢！｣｣｣






何時ものように言い合い始める2人に、

お妙が笑い声を漏らす



三人はそれに気付くと顔を見合わせ、

お妙につられるように笑った







お妙｢……こんなに笑ったのは久しぶり

前はこうして皆でよく集まって笑ってたっけ



……でも、｣








笑顔から一転、

その顔に影が差す









お妙｢江戸がこんな風になってからは皆、

顔を合わす事も少なくなって……



新ちゃんも神楽ちゃんもそう、

会ってもお互いの顔を見ようともしないの



……お互いの辛い顔を見るのはもっと辛いから｣






｢…………｣







お妙｢皆の顔を見ると、あの頃を……


あの人の顔を、思い出してしまうから｣








4人の頭に浮かぶのは、

未だに追い掛けているあの背中


銀髪の天然パーマの、あのだらしなかった男









お妙｢本当に、一体何処で何をやっているんだか

あのちゃらんぽらん




早く帰ってこないと

皆バラバラになっちゃうよ




早く帰ってこないと

……さよならも言えなくなっちゃうよ｣






九兵｢……ッ｣






お妙｢出来る事ならもう一度見たかったなぁ……、


あの三人の笑顔……｣






九兵｢妙ちゃん…………、｣

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